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2部昇格のヴォレアス・古田が熱弁。
「バレー界で北海道から勝負する」

posted2019/04/03 10:30

 
2部昇格のヴォレアス・古田が熱弁。「バレー界で北海道から勝負する」<Number Web> photograph by VOREAS HOKKAIDO

主将としてチームを引っ張る古田。Vリーグディビジョン3の連覇を達成した。

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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VOREAS HOKKAIDO

 3月16日、旭川で行われた男子バレーボール・Vリーグディビジョン3で優勝を決め、初参戦となった前年度から連覇を果たしたヴォレアス北海道。今年2月に発表されたライセンス取得状況でもS2(ディビジョン2への参加資格)の条件をクリアし、来シーズンからは2部リーグへの昇格が決定している。

 ヴォレアス北海道は、2016年に旭川市を拠点として、バレーボールを通じて地域を活性化することを目的に誕生したプロ・バレーボールチームである。

 旭川という土地でときには1000人を超える観客を集め、会場ではバレーボール界初のキャッシュレス化を進めるなど、新しい試みに挑戦し続けている。スポーツビジネスの世界でも「北の異端児」「北の改革者」と呼ばれる、いま最も注目されているチームだ。

バレーボールはやめるつもりだった。

 そんな集団をけん引している主将、古田史郎もまた、「普通ではない道」を歩んできた選手である。

 古田は北海道函館市出身の31歳。法政大学在学中に全日本入りを果たし、将来を嘱望されたウィングスパイカーだった。その後、男子1部の強豪である東レアローズに入団。

 しかし故障のため、わずか3シーズンで退部に至る。その後、ジェイテクトSTINGSとプロ契約を結び、トップリーグに復帰。2017年より出身地であるヴォレアス北海道の一員として活動している。

「東レを退職したあと、バレーボールはやめるつもりで北海道に戻ったんです。肩、腰、股関節とケガが続いて、すっかりモチベーションも下がっていて……。

 でも地元に戻って『何をしようか』って考えたときに、全く何も思い浮かばなかったんですよ。それまでは、こうなりたい、こうしたいって言えば周りにいる誰かが処方箋を用意してくれて、僕はそれを飲むだけでよかった。今までいかにバレーボールに守られてきたかを思い知りました」

【次ページ】 「今までの自分はなんて甘かったんだろう」

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古田史郎
ヴォレアス北海道

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