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上原浩治が語る2019年の“オンとオフ”。
「年齢にこだわらず僕を見て欲しい」

posted2019/03/15 11:00

 
上原浩治が語る2019年の“オンとオフ”。「年齢にこだわらず僕を見て欲しい」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph by

Kiichi Matsumoto

 今年もまた、上原浩治が巨人のマウンドに上がる。

 今年の4月3日に44歳を迎える上原だが、昨年の秋に左膝の手術を決断。その後は自由契約になっていたが、順調にリハビリが進み、12月に巨人と再契約を結ぶことが出来た。

 手術を受けた左膝の状態は、日常生活に影響を与えるほどに悪化していたという。

「去年の後半は、階段の上り下りもしんどい状態でしたね。これはもう仕方がないと手術に踏み切ったんですが、そのせいで自由契約になってしまったんだろうな……と考えたこともありました。投げる場所があってこそ、投手でいられるわけですから、あれこれ考えたのも事実です。おかげさまでリハビリの効果もあり、キャンプに入ってからは若手に交じって中1日の間隔でブルペンで投げています」

電撃的な巨人復帰と準備不足。

 昨年の3月、電撃的に巨人に復帰した上原。オープン戦の登板にもかかわらず、東京ドームには上原の姿を見たさにたくさんのファンが駆けつけたほどだった。

 しかし、実際のところ準備不足は否めず、それがシーズンに入ってからもピッチングに影響したという。

「去年の春はアメリカで契約を待ちつつ、自分でトレーニングはしてましたけど、キャンプで投げ込むことなく、いきなりオープン戦から公式戦に入りましたからね。これは難しかったです。自分にも準備不足という不安があったと思います」

中盤からつかんだ指先の感覚。

 どんな年齢になっても、十分な鍛錬を積んでこそ、力を発揮できるタイプだと上原はいう。

「僕はしっかりと走る、たくさん投げ込みをするというのがプロとしての基本だと思うんです。去年はそれが出来ませんでしたし、シーズンに入ってからもいろんなことがしっくりこなかったんです。日本とアメリカではボールの手触りも違えば、マウンドの高さ、硬さも違います。10年前に日本でやっていたフォームを思い出しながら、調整して投げていた感じでした」

 上原の指先の感覚は「天才的」と言っていいほどのものだ。縫い目にかけた人差し指や中指を、わずか数センチ、いや、数ミリ動かすと、投球の軌道が変わる。しかも、どんな軌道を描くのか、上原にはイメージが出来る。抜群のコントロールは、この繊細な感覚から生まれる。

 しかし去年は、想定していなかった日本球界復帰という事態となり、上原の繊細な技術が存分に発揮されたとは言い難かった。

「昨季はシーズン途中に、故障で登録抹消という時期もありましたが、それでも中盤になってから、『こんな感じかな』という指先の感覚はつかめてきました。開幕当初のまったく自信がない状態と比べたら、大きな進歩ですよ」

【次ページ】 もう年齢のことはどうでもいい(笑)。

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