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オシム「愚かなプレーは無かった」
サウジ戦で見えた日本サッカーの進化。 

text by

田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/01/24 07:00

オシム「愚かなプレーは無かった」サウジ戦で見えた日本サッカーの進化。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

日本の攻撃陣は得点こそ少なかったが、試合を通して巧みな守備を敢行して完封勝利に導いた。

「愚かなミスや技術的なミスが……」

「サウジはあらゆる場面でボールをキープした。

 つまりどちらも良かったということだ。ともにアグレッシブでありながら大きなミスはなかった。普段ならば愚かなミスや技術的なミスが数多くあって、そうなると試合が難しくなる。

 その点でこの試合はとても良かった。

 それで後は何が残っているのか?」

――日本の準々決勝の相手はベトナムです。

「そうではなくて、次の試合はどんなカードなのか?」

――今日のこの後は……。

「そうだ。まだ試合が残っているだろう」

――オーストラリア対ウズベキスタンです(試合は0-0の末、PK戦でオーストラリアが勝利)。

「それは面白そうだ。ウズベキスタンはずっと強かったしオーストラリアもだ。ワールドカップ予選などでどちらも良く知っている。ともに近年進歩を遂げ、価値あるチームとなった。

 オーストラリアの選手の多くはイングランドでプレーし、屈強で優れた選手たちで、日本とはまた別のスタイルのサッカーだ。彼らがウズベキスタンのような強固なチームとどう対戦するかはとても興味深い。

 日本戦はコレクトだ。あまり大きなことは言えないが、試合を静かに見られて愚かなプレーやミスがなければコレクトだったというのが適切だ。悪くはなかった。落ち着いて試合を見ることができ、愚かな過ちや愚かな失点をしなかったのはそれだけで悪くない。すべての日本人がほっと胸をなでおろし、試合に集中できた。自分たちのチームが負けなかったのだから」

――それはその通りでした。

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