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女子サッカー初のバロンドール!
世界中の女子選手が読むべき受賞談話。

posted2018/12/30 16:30

 
女子サッカー初のバロンドール!世界中の女子選手が読むべき受賞談話。<Number Web> photograph by Jean-Francois Robert/L'Equipe

サッカー史において永遠にその名前が刻まれたアダ・ヘゲルベルグ。賞の創設による、女子サッカーのますますの発展に期待したい。

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フランク・シモン

フランク・シモンFrank Simon

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Jean-Francois Robert/L'Equipe

 今年から新たに創設された「女子バロンドール」(FIFA最優秀選手賞は澤穂希が受賞)は、FIFA加盟の46の国・地域のジャーナリストによる投票の結果、オリンピック・リヨン(OL)に所属するノルウェー代表のストライカー、アダ・ヘゲルベルグ(23歳)が栄誉ある初代女王に輝いた。

 3年連続リーグ得点王にして、2016年に続き2度目のチャンピオンズリーグ得点王も獲得。投票数で第2位だったペルニル・アルデレ(ヴォルフスブルク、デンマーク代表)とのポイント差はわずか6(へゲルベルグの136に対しアルデレは130)。しかし、2018年5月にキエフでおこなわれたUEFA女子チャンピオンズリーグ決勝で、延長戦の末にOLがヴォルフスブルクを4対1と下して3連覇を達成し、頂点対決を制したのが受賞の決め手となったのだろう。

 ちなみに国内リーグも12連覇中のOLからは、このノミネートで5人がトップ10入りし、日本の熊谷紗希も12位(25ポイント)に名を連ねていた。

 バロンドール特集の『フランス・フットボール』誌12月4日発売号では、永遠のパイオニアとなったヘゲルベルグが、編集部が用意した「最初の」を枕詞とする様々な質問に率直に答えている。フランク・シモン記者によるインタビューの抄訳をここにお届けする。

監修:田村修一

――女子バロンドールの創設について。

「女子サッカーが目覚ましく進歩している証拠でありとても大きな一歩であると思う。と同時に、将来は男子だろうと女子だろうと、サッカーに精力を注ぎ、喜びを感じることができれば、バロンドールに値するということになっていくでしょう」

――自身が最初の受賞者になったことについて。

「説明は難しいわ! 『誇りと名誉』という言葉を私はあまり使わないけど、人生において受けた最高の名誉です。

 オリビエ・ブラン(OLのサブGM)が電話してきて、数日後にインタビューが予定されていると言われました。でも媒体が何でどんなテーマかは知らされなかった。その後、彼と直接会ったときに、私がバロンドールを受賞したと言われて、思わず感極まってしまった。いつの間にか涙が溢れて……忘れられない瞬間でした。

 正直に言って、受賞できるとは思っていなかった。OLでは様々な感動的な場面があったけど、バロンドールはまた別だから。

 クラブでタイトルを獲ることを目指して、これまで日々努力してきた。それが達成できた後では、個人タイトルを思い浮かべる。でもバロンドールは、そうしたすべてを超越している!

 その栄誉ある第1回を受賞できるなんて、永遠に語り継がれる権利を得たようなものでしょう。クラブやチームと名誉を分かち合えるのは本当に嬉しい。

 こんなこと言うのは紋切型かも知れないけれども、チームメイト抜きではこの受賞は絶対にありえませんでした」

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アダ・ヘゲルベルグ
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