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日本バスケ女子の至宝・今野紀花。
NCAA強豪で渡邊雄太、八村塁に続け。 

text by

青木崇

青木崇Takashi Aoki

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photograph byNorika Konno

posted2018/11/21 07:00

日本バスケ女子の至宝・今野紀花。NCAA強豪で渡邊雄太、八村塁に続け。<Number Web> photograph by Norika Konno

10月の大学訪問では、NCAAファイナルフォーのジャージーを着てウォルツコーチと記念撮影。

知名度がなくても興味は本物。

 今野のNCAA行きに向けた動きは、今年1月から本格的にスタートした。

 聖和学園の小野裕ヘッドコーチにとって大学の先輩にあたり、年末年始になると必ず渡米し、バスケットボールの勉強をしながら、NCAAのチームと強いコネクションを作ってきたコーチの今倉定男が、NCAAトーナメント終了直後に今野のハイライト映像をいくつかの大学に紹介。

 それを見て真っ先に反応し、日本時間4月5日の午前6時に今倉に電話してきたのが、ルイビル大のジェフ・ウォルツヘッドコーチだった。

 ルイビル大は2009年と2013年にNCAAトーナメントで準優勝し、昨季もファイナルフォー進出を果たすなど、全米トップレベルのチーム。NCAAディビジョン1の強豪校は男女問わず、有望な選手のリクルートをアシスタントコーチの1人が中心となって行なう。

 しかし、アメリカで知名度がまったくない選手に対し、強豪校のヘッドコーチが映像を見て真っ先に反応するのは非常にレアなケース。ウォルツが今倉にかけた1本の電話は、今野への興味が本物であることを示すに十分なものだった。

文武両道のサポートも。

 もちろん、他にも今野に興味を持った大学はあった。しかし、「速いペースの試合は彼女に合っているし、ノリカがすぐにファンのお気に入りになるのはまちがいない」と語るウォルツが本気で今野を欲しい選手と考えていたことは、この9月に24時間弱という強行日程ながら来日し、直接、今野と会ったという行動でも明白だ。

「本当にありがたいと思ったし、自分はまだ英語があまり喋れないけど、すごく話しかけてくれたり、通訳なしで喋ろうとしてくれたりという姿勢に安心感が出たし、すごくうれしかったです」と、今野は振り返る。

 10月上旬に両親と一緒にルイビル大を訪問した今野は、練習や大学施設を見学。入学すれば日本語のできるチューター(学業を助ける家庭教師のような存在)もつけてもらえるなど、NCAAでプレーするための絶対条件である文武両道のサポートも受けられるスカラシップ選手として、ぜひ入学してほしいという申し出があった。

 ウォルツの強い熱意とすばらしい環境でプレーできることが決め手となり、今野はルイビル大への進学を決意した。

【次ページ】 U19W杯が飛躍のチャンスに。

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