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Number欧州蹴球名鑑の作り方。
選手キャプション「60字」の美学。 

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涌井健策(Number編集部)

涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui

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photograph byIchisei Hiramatsu

posted2018/09/12 17:00

Number欧州蹴球名鑑の作り方。選手キャプション「60字」の美学。<Number Web> photograph by Ichisei Hiramatsu

選手名鑑のこの小さな1コマに、時には異様なほどの労力がかかっている。それもまた名鑑の醍醐味である。

基本は各リーグ編集とライターの2人体制。

 今年の「欧州蹴球名鑑」は以下の体制で各リーグのページを作成してもらった(以下、敬称略)。

プレミア 編集:原山裕平 ライター:井川洋一/佐野祐一
リーガ  編集:粕川哲男 ライター:横井伸幸
ブンデス 編集:飯尾篤史 ライター:鈴木智貴
セリエA 編集&ライター:手嶋真彦
アザー  編集:杉山孝 ライター:杉園昌之/遠藤孝輔/吉江武史/中田徹/井川洋一

 手嶋さんが1人2役を担ったセリエAは特殊だが、基本的には語学が堪能で、現地のサッカー情報に精通しているライター陣が原稿を「書き」、チーム内での表現の重なりなどに配慮しながら編集者が「整える」。

 4大リーグ以外のチームを紹介しなければならないアザー部門は、ウクライナ語やギリシャ語などマイナー言語がメインで、英語等の情報が極端に少なく、ライター陣の負担が大きいため5人体制となっている。誤解を生まないように付記しておくと、ライターと編集者は上下関係ではなく対等な分業体制だ。

各リーグイチオシのキャプションは?

 今回、各リーグの担当編集者にイチオシ(?)の選手キャプションを挙げてもらった。

<プレミア 選・原山裕平>

ニール・エザリッジ(GK カーディフ フィリピン代表)
「4年前には引退の瀬戸際に追い込まれていたフィリピン代表がプレミアの舞台へ。反射神経に優れ、至近距離からのシュートに強い。」

理由:フィリピン人選手がプレミアに! という素直な驚きがあったため。

<リーガ 選・粕川哲男>

ヘロニモ・ルジ(GK レアル・ソシエダ アルゼンチン出身)
「昨季はリーガで失点を重ね、マルカ紙の『バターでできたグローブ』ランキング3位に。移籍の噂もあったが、名誉挽回に全力を注ぐ。」

理由:スペインの日刊紙「マルカ」によるランキングを使った変化球。ちなみに気になるランキングの全貌は以下の通り。不名誉なFW1位には意外な名前も登場している。

FW=「木製ブーツ賞」(1ゴールに要した時間の長さ)
1位:カリム・ベンゼマ(R・マドリー)425分
2位:イニャキ・ウィリアムス(A・ビルバオ)397分
3位:ルーカス・ペレス(デポルティーボ→ウェストハム)395分
4位:ホルヘ・モリーナ(ヘタフェ)388分
5位:ジョナサン・カレリ(ラスパルマス→アラベス)377分

MF=「フェア・ショットガン賞」(相手と味方、公平にパスを出す)
1位:ガブリエウ(レガネス→ベンフィカ)6.2分に1本のパスミス
2位:ルベン・ペレス(レガネス)7分に1本
3位:ラウール・ガルシア(A・ビルバオ)7.4分に1本
4位:ビクトル・サンチェス(エスパニョール)7.6分に1本
5位:アレックス・グラネル(ジローナ)8.3分に1本

DF=「カラテキッド賞」
1位:ルベン・ドゥアルテ(アラベス)45分に1回のファウル
2位:ダニエル・カルバハル(R・マドリー)46.3分に1回
3位:アントニオ・バラガン(ベティス)46.6分に1回
4位:ハウメ・コスタ(ビジャレアル)47分に1回
5位:ダミアン・スアレス(ヘタフェ)53分に1回

GK=「バターでできたグローブ賞」
1位:ルベン・マルティネス(デポルティーボ→オサスナ)42分ごとに1失点
2位:アントニオ・アダン(ベティス→A・マドリー)50分
3位:ヘロニモ・ルジ(R・ソシエダ)52分
4位:レアンドロ・チチソーラ(ラスパルマス→ヘタフェ)52分
5位:セルヒオ・リコ(セビージャ→フルアム)55分

※2000分以上(フル出場で22.2試合程度)出場の選手が対象。

【次ページ】 ブンデスで登場した「男梅」の文字。

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