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最多は黒田、追う田中&マエケン。
メジャーで二けた勝利を続ける価値。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2018/07/27 11:30

最多は黒田、追う田中&マエケン。メジャーで二けた勝利を続ける価値。<Number Web> photograph by Getty Images

田中将大は現在8勝2敗とヤンキースの独走を支えている。二けた勝利も視野にとらえている。

強いチームで投げ続けることの価値。

 そういう意味で、田中は「強いチーム」で「先発投手」として生き残り、「大事な場面で投げている」。だから「運」もあるし、「勝ち星」が付くことも多い。それを証明しているのが「二けた勝利」だ。

 田中は2014年のメジャー・デビューから4季連続で二けた勝利を挙げている。

 連続での二けた勝利の日本人歴代の最多は、黒田がメジャー3年目の2010年から同最終年にあたる2015年まで記録した5季連続だ。連続ではない二けた勝利の最多は野茂の7季である。

 田中がメジャー通算57勝のダルビッシュより勝ち星を重ねている理由は、同じように右肘を傷めながら、手術ではなく(大谷と同じ)PRP注射等で自己治癒して復帰したため、ダルビッシュほど長いブランクがなかったからだろう。

マエケンが今季二けた勝利すれば……。

 田中が今季8勝目を挙げた同じ24日、前田は敵地でのフィリーズ戦で7回4失点という内容で降板し、惜しくも今季8勝目を逃した。それでも今季すでに7勝を挙げており、3季連続二けた勝利まであと3勝と迫っている。

 メジャー・デビューからの3季連続二けた勝利は、過去に野茂とダルビッシュ有(現カブス)、そして田中の3人しか達成していない稀な記録だ。メジャー通算では現在36勝(22敗)で、メジャー最初の3年間での36勝は、歴代最多の43勝を挙げた野茂英雄、39勝のダルビッシュ有と田中将大、38勝の岩隈久志、そして歴代5位の松坂大輔の37勝に次ぐ数字だ。

 今季中に松坂を抜いて単独5位に上がる可能性は高く、その後も順調に勝ち星を重ねることができれば、同2位タイのダルビッシュや田中を抜くことも視野に入って来る。

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