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不祥事の連鎖が止まらぬ球界。
今こそコミッショナーの出番だ!

posted2018/07/13 11:00

 
不祥事の連鎖が止まらぬ球界。今こそコミッショナーの出番だ!<Number Web> photograph by Kyodo News

昨年11月、新コミッショナーに就任し、熊崎前コミッショナー(右)らと握手する斉藤氏。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Kyodo News

 また巨人が不祥事で世間を騒がせている。

 2015年の笠原将生ら4投手の絡んだ野球賭博問題から始まり、昨年は山口俊投手の暴行事件、今年に入ってからも篠原慎平投手と河野元貴捕手が全裸写真をSNSに掲載して今季終了までの出場停止と罰金の処分を受けた。撮影の場にはいなかったがその食事会に同席していた坂本勇人内野手も、厳重注意処分を受けている。

 その篠原らの処分が発表された7日に、さらに明らかになったのが柿澤貴裕外野手による窃盗事件だった。巨人は同日付けで同選手との契約を解除。翌8日に窃盗の疑いで柿澤容疑者は神奈川県警多摩署に逮捕された。

 柿澤容疑者の事件は、金に困ってジャイアンツ球場のロッカーから同僚のバットやユニフォームなどを盗み、転売していたという。何とも呆れる事件である。

契約解除、引退に追い込まれる事件が。

 問題が発覚すると事件の特異性もあり、ワイドショーなどでも取り上げられて、世間の注目はかなり大きなものとなっている。巨人という球団、プロ野球という特別な世界で起こった事件だからこそ、世間の注目を集めたわけで、逆に言えばそういう世界に身を置く者として選手、球界関係者は改めて厳しく身を律しなければならないということでもあるのだ。

 ただ、ここのところまた、球界のタガが緩んではいないだろうか。

 昨年にはオリックスの奥浪鏡選手(当時)が免停中に車を運転してオートバイと接触事故を起こして、本人の希望もありシーズン中に契約解除になるという事件もあった。また、6月にはロッテの大嶺翔太内野手が金銭トラブルから引退に追い込まれるという“事件”も起こっている。

 問題を起こした選手は、野球選手である以前に立派に成人した社会人である。それぞれが遵法精神の下に行動するのは言わずもがなである。

【次ページ】 「球界の番人」なのに発信が少ない。

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