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ディープ1強に新種牡馬が挑戦状?
億超え続出のセレクトセール詳報。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2018/07/11 11:25

ディープ1強に新種牡馬が挑戦状?億超え続出のセレクトセール詳報。<Number Web> photograph by Kyodo News

キタサンブラックの全弟は1億2500万円で落札された。セレクトセールに不景気という言葉はないようだ。

ノーザン数十年の結晶ドゥラメンテ。

 やはり楽しみなのは、ノーザンファーム生産のドゥラメンテ産駒だ。今回は6頭が上場され、すべて落札された。

 なかでも、今年の当歳で2番目の高値の1億8000万円で株式会社NICKSに落札された牡馬「アイムユアーズの2018」の血のクロスは、ノーザンファームならではの、驚くべき豪華さだ。

 ドゥラメンテ自身もノーザンファームで生産された。4代母シャダイフェザーにノーザンテーストを付けて3代母ダイナカールが誕生し、それにトニービンを付けて祖母エアグルーヴが生まれ、それにサンデーサイレンスを配合して母アドマイヤグルーヴが誕生し、そこにキングカメハメハを付けて自身が生まれた。

 つまり、ノーザンファームが数十年にわたって大切にしてきた基幹牝馬にリーディングサイアーの血を投入しつづけて誕生した結晶がドゥラメンテなのだ。

 そのドゥラメンテを、同じダイナカールの牝系から出たアイムユアーズに付けて生まれたのが、この「アイムユアーズの2018」である。その結果、サンデーサイレンスとキングマンボが3×4(血統表の3代前と4代前に同じ馬がいるという意味)となったばかりか、ダイナカールも4×4というインブリード(近親交配)になった。

 このぐらいの種牡馬のインブリードは珍しくないが、繁殖牝馬のインブリードとなるとそう多くない。

ノーザンテーストも牝馬インブリードだった。

 繁殖牝馬のインブリードで日本のファンにもっともなじみ深いのは、11年連続JRAリーディングサイアーとなったノーザンテーストがレディアンジェラの3×2であることか。

「アイムユアーズの2018」は、そうした血統面のほか、馬体のバランスと動きも高く評価されている。

 ほかのノーザンファーム生産のドゥラメンテ産駒は、8400万円、8000万円、6000万円、5400万円、4400万円の値がついた。ノーザンファームとしては、名門の威信をかけて、集大成と言えるドゥラメンテを種牡馬として成功させないわけにはいかないだろう。

【次ページ】 超高額馬は減ったが、それでも過去最高。

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