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オシムがコロンビア戦に見る希望。
「岡崎と乾、香川。そこに本田も」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2018/06/18 11:30
パラグアイ戦で2ゴールを挙げた乾貴士。香川真司とのコンビネーションはオシムも高く買っている。
コロンビアにはより注意が必要だ。
――西野監督はこの2試合ですべての選手を試しました。コロンビア戦に向けて改めて選手を選ばなければなりません。
「責任を負ってプレーできる選手を揃えることができたから、チームを指揮するのはずっと容易になった。選手たちはみな経験を積んで、監督も彼らのことをよく理解している。選手たちも同様で、監督のやり方をわかっているからプレーに慣れるにもさほど時間はかからない。その点で問題がないのは、ワールドカップに向けてとても大きなことだ。
フィジカルと心理面が最も重要だが、そこで大きな問題がなければ……この試合でその不安もかなり解消された。たしかにこのパラグアイは大した相手ではないが、他のチーム(コロンビア)に関してはより注意が必要だし見てみないとわからない。
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岡崎は活発さを少し失った印象だ。そこに彼の特徴があり、特にゴール前で素晴らしかった。今は少し……まだ本来の彼であるとはいえない。もう少し時間を与えるべきだ。そうすればよりフィットして、クオリティも上がっていくだろう」
――この勝利で選手は自信を回復したのでは。
「こんな勝ち方をすれば、自信を取り戻すのは間違いない。ただ、だからといってあまり急ぎ過ぎてはいけない。過信と相手の軽視は禁物であるからだ。どこも決して軽視できる相手ではない。最初の相手はコロンビアか?」
――ええ、パラグアイよりずっと強いです。
「素晴らしい選手たちを揃えたレベルの高いチームだ。FIFAランキングでもずっと上位を占めている。彼らと戦うのは簡単ではない。成熟したチームで選手個々も能力が高く、幾人かの力は突出している。彼らは本当に抜け目がなく、まるでマフィアのようだ」
――コロンビア相手に勝ち点1を得られれば成功といえますか?
「勝てば大きな追い風が吹く。それは日本がどんな相手にも勝利できることの証明でもある。今プレーしているようにコロンビア戦も戦うべきだ。シリアスに、しっかりと走る。勇気をもって攻撃する。後方に退いて抜け目なく相手の出方をうかがいながら、機を見てカウンターを仕掛けるようなやり方は、私はどうかと思う。
日本には大きな選手がいない。体格の面で劣るから、自陣ゴール前の攻防で負けてしまう。CKやFKなどのセットプレーも極めて危険となる。だから前に出て勝負し、なるべくスピーディに攻撃を仕掛ける。とりわけコロンビアのように、技術的に優れたチームにはそうすべきだ。前がかりで攻撃して、スペースを突いていく。
どうしたらいいかわかるだろう。私は西野監督にアドバイスを与える立場にはない。すべては彼が自分で考えて決めることだ」