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国際大会で日本の野球が不評って?
勝つための戦術と“マナー”の問題。
posted2018/04/17 07:00
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Kyodo News
その反応からは、日本高野連にとっても寝耳に水の話ではないことが読み取れた。
「8回の盗塁、あったねぇ」
大量得点差における試合の進め方について、筆者が聞いた時だ。
実は国際大会において、日本代表の戦い方はあまり好意的に捉えられていない。その問題について尋ねたところ、冒頭のような返答をもらったのだ。
このほど閉幕した第90回選抜高校野球大会は、大阪桐蔭が連覇を果たした。
今大会は点の取りあいになった試合が多く、年明けからの仕上がりに差が出るセンバツらしく、大差がつく試合もいくつかあった。大阪桐蔭は花巻東に19-0で勝利している。昨年の大会でも、報徳学園が21得点を挙げた試合があった。
そんな大差の時に問題になるのが、試合の進め方だ。
甲子園ではどれだけ点差があっても手を抜かないことが相手への礼儀だとされるが、そこまで相手を痛めつける必要があるのか、という視点もありうるものだ。
こんなことをテーマにした理由は、国際大会での日本チームの評価がよくないからである。いわゆる“アンリトゥンルール(不文律)”が浸透していないのだ。
「日本は世界的に見て実力では1位の国だと知られていますが、野球のマナーという点ではいい評価を得られていません。マナーとは試合の進め方です。相手へのリスペクトが足りていない」
そんな話を教えてくれたのは、元アマチュア野球の規則委員長・麻生紘二さんだ。
捕手のキャッチングがきっかけ。
日本の試合におけるマナーが世界的に問題視されるようになったきっかけは五輪だった。日本代表の捕手がキャッチングのたびにミットを動かし、この行為が審判への侮辱とみなされたのだ。
審判は敵ではない。試合を円滑に進める中立的な立場なのに、その人間を欺こうとする行為が反感を買った。その影響から、日本の試合でのきわどいコースはすべてボールと判定されたとも言われている。
あるいはシドニー五輪では、日本選手がヒットを打つたびにベース上でポーズをとった。これも相手チームへのリスペクトがないと問題視された。