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東京五輪のナインが見えてきた!
2年後が楽しみになった侍J強化試合。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byKyodo News

posted2018/03/06 11:00

東京五輪のナインが見えてきた!2年後が楽しみになった侍J強化試合。<Number Web> photograph by Kyodo News

第2戦で活躍した22歳の上林。“稲葉2世”の呼び名の通り、勝負強い打撃を見せてくれた。

いかに伸びしろのある若手を見出すか?

「今回の選手を軸にしていきます。その中で今年、若い選手が活躍して、トップチームに集合したときにどうやって国際大会で活躍するかを見てみたいという選手は呼びたいと思います」

 2試合を終えた稲葉監督は2020年の東京五輪に向けたチーム作りをこう説明した。

 千賀の快投や柳田、筒香の勝負強さは、改めて見るまでもない。それよりもこれから2年間で代表の中心になるだろう伸びしろのある選手をいかに見つけ出して、経験を積ませるか。

 今の侍ジャパンの強化試合の意味は、まさにそこにあるはずだ。

 そういう意味では引き締まって見応えのあった第1戦も面白かったが、試合としては少し冗漫になってしまった感もある。そして、それ以上に若手がしっかりと足跡を残した第2戦には大きな意味があった。

投の堀、打の松本と上林らは2年後を見据える。

「19歳でこのマウンドに立てたのは、自分にとっていい経験になります」

 こう語ったのは第2戦で3番手として2イニングをパーフェクトに抑えた左腕の堀だった。

 堀は昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップにも招集されて、初戦の韓国戦ではタイブレークの延長10回に2死一、二塁から火消し役としての登板なども経験して、今回が連続での代表入りだ。

「今回は緊張せずに集中することができたのが良かった。コースにしっかり制球できていましたし、シーズンで結果を残して、また次も選んでもらえるようにしたい」

 本人がこう語ったように、稲葉監督にとっても2年後に向けて期待の大きい選手の一人であることは間違いない。

 一方、打線でも昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップから続けて招集された松本と上林がトップチームでも気後れすることなく結果を残して初陣を飾った。

「代表でもチームでも自分が生き残る道を考えたい。2番なので(2本の)安打より、最初の2打席が良かったと思っている」

 こう語る松本は1回に先頭の秋山が出塁すると、すかさず送りバントを決めてそれが敵失を誘って一気にチャンスを広げ、第2打席では無死二、三塁から手堅く右犠飛で追加点を奪うバッティングを見せた。

【次ページ】 すでに五輪を強く意識してプレーする選手達。

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