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ホリエモンが語る球団買収の裏側。
「渡辺恒雄氏に挨拶に行けば……」 

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byYuki Suenaga

posted2018/02/15 15:00

ホリエモンが語る球団買収の裏側。「渡辺恒雄氏に挨拶に行けば……」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

現在はJリーグのアドバイザーを務め、スポーツとの関わりも長い。

「楽天にとられてすごく悔しいです」

――堀江さんと池田さん、お2人でやるのもいいんじゃないですか?

池田「僕も今やりたいかといったらちょっと違うんですよね。堀江さんがすごいなと思うのは、そういうことを明言すること。忖度して言わない人もいっぱいいる中で。そのへんのメンタリティは一体どうなっているんですか」

堀江「基本全部言ってしまうんです。いいアイデアを思いついたなと思ったら言うんです。そうすることで、いいことがいっぱい起こっていくんですよ。

 うちの社員には『楽天にとられてすごく悔しいです』、『社長は悔しくないんですか』と言われるんですが、『まあ、いいんじゃないの? 楽天が入れて』って。『俺らみたいにはできないかもしれないけど、そこそこやるでしょ。少なくとも、既存の球団よりは全然やるだろうし、これはすごくいいことだよね』って。『俺らはまた次(のステージ)に行こうぜ!』といったような話をするんですけど。

 もちろん、自分たちでやれたほうがベスト。でも、楽天が参入したことは僕らにとってもベターだから。1位にはなれなかったけど、世の中が良くなったなと思っています」

なぜ首都にビッグクラブが無いのか?

――お2人は野球以外にも、サッカーのJリーグにも関わっていますよね。

堀江「FC東京に怒られてしまうかもしれないけど、東京にビッグクラブがないでしょ。都心(23区)にビッグクラブが1つもないのはすごくでかいと思う。以前、川淵(三郎)さんは都心にクラブはなくていいとおっしゃっていたけど、多分、それって実現できなかっただけな気がするんですよね。どう思いますか」

池田「僕は東京にビッグクラブがあれば変わると思いますね」

堀江「Jリーグは開幕時がピークだと思っているんですよ。今、日本人1億2千万人に『Jリーグで一番知ってる選手は?』と聞いたら誰だと答えると思いますか」

――カズ(三浦知良)さんでしょうか。

堀江「そうだと思うんです。つまり、Jリーグは発足当時がピークなんですよ。50歳になった今も現役だというのもあるのかもしれないけど、カズさんがいまだにトップという事実は変わらずあって」

――フランチャイズの問題で企業名を出さないということも関係していたのかもしれません。

堀江「企業名を出さない哲学を貫き通すのはいいと思います。ただ、その見返りとして都心にクラブを持てなかったわけですよ。

 もちろん、当時、土地バブルの最盛期だったので、都心に専用のスタジアムを作ることは無理だったかもしれません。様々な理由があるにせよ、そこが大きな問題であると思います。

 だから僕はアドバイザーになった当初から、『とにかく都心に東京ダービーをやれるようなチームが2つ欲しい』と訴え続けているんです。200~300億ぐらいの予算規模で回せるはずなので」

【次ページ】 ヴェルディが都心で復活すれば……。

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