会員限定グッズは“ファンとしての誇り”である。

「締切り時期を早くしている理由はもうひとつ。会員の証である記念品のイエローメッシュジャージなどを開幕までにファンの方のお手元にお届けしたいというのがあります」（畑野さん）

　友人の阪神ファンに聞いたのだが、この「イエローメッシュジャージ」は、ファンクラブに入会しなければ貰えない非売品らしく、ある意味、ファンのステータスでもあるという。このジャージ欲しさに会員になる人も多くいるというが、なるほど、振り返って考えてみても、近年の甲子園では黄色いメッシュジャージを着ているファンの姿がすごく目立っていた気がする。

　やはり、ファンという生き物は、ステータスやら“ファンとしての誇り”みたいなものをくすぐられると弱い。本拠地球場から遥か遠くに住む人でも、球団への愛の証を形にするという意味でファンクラブに入るという人も地方にはかなりいるようだ。

広島ファンなら必携ともいえる「ファンの証カード」。

　そういう意味では、カープはそのへんを実によくわかっている。もちろん会員特典も、イベントもグッズもちゃんと抑えているが、それよりもなによりも、会員証のネーミングがすごい。その名もズバリ「（カープ）ファンの証カード」である。

　この会員証にはいま流行りの来場ポイントや、その他気の利いた何かがあるわけではない。ただ、「ファンの証」と謳われちゃあ、手に入れずにはいられないのがファン心理。この証を懐に忍ばせておけば、広島でからまれるなどの不測の事態が起きても、なんとなく大丈夫なような気がするのは筆者だけではないだろう。

　ファンクラブはグッズマニアに嬉しい。最近は会員にもグレードを設けている球団が増えているようで、そのランクに応じてもらえるグッズが豪華になる傾向がある。今期、出揃ったオリジナルグッズのなかでも、個人的に特に魅力的だったのはソフトバンクの「ハイグレード会員」で貰える、選手が使用しているデザインと同じ「チーム仕様遠征バッグ」。オリックスの「ゴールド会員」で貰えた「Bsロゴ入りオリジナルウオッチ」（定員数到達のため現在は受付終了）のあたりか。1万円でこれだけのグッズがもらえるのはファンクラブならではだろう。

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