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世界の憧れとなった84歳の超人、
稲田弘の肉体の謎に迫る!

posted2017/04/07 10:50

 
世界の憧れとなった84歳の超人、稲田弘の肉体の謎に迫る!<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

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NumberDo編集部

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Atsushi Hashimoto

 みなさん、稲田弘という“スーパーアスリート”を知っていますか?

 御歳84。昭和7年生まれの稲田さんは、世界一過酷なトライアスロンレース「アイアンマン」の世界最高齢完走記録保持者です。昨年のリオ五輪で競われた「トライアスロン」はいわゆるオリンピックディスタンスと呼ばれる総距離51.5km(スイム1.5km、バイク40km、ラン10km)のコース。対して、アイアンマンレースは総距離なんと226km! スイム3.8kmからのバイク180kmをこなした後に、フルマラソンを走破するというとんでもないレースなのです。

「フルマラソンを80代で完走!」

 これだけでも十分に大きなニュースになるでしょう。ところが、稲田さんにとっては、荒波をかき分け3.8km泳ぎ、向かい風と起伏に富んだ「ハンパない」ロードを180kmも自転車のペダルをこぎまくった後に訪れる42.195kmのランは「楽に感じる」ようです。

60歳を過ぎて始めた競技で、国際大会優勝まで。

 そもそも稲田さんがトライアスロンの世界にはまったのは、60歳を過ぎてから。NHKの放送記者として仕事に打ち込んできたのちに定年を迎え、自宅近くのスポーツジムに通い始めたのがきっかけなのだそうです。

 65歳で水泳とランニングが合体した「アクアスロン」に出場。その大会で目にしたロードバイクに一目惚れした“65歳の少年”は、決して安くはない自転車を購入し、本格的にトライアスロンの練習に挑みます。

 稲田さんがアイアンマンレースの世界選手権@ハワイに初めて出場したのが2011年、79歳のときです。以来、毎年予選を完走し、このアイアンマン世界最高峰の大会に6回連続で出場しています。80歳で出場した2012年の大会では、80歳以上の年代別カテゴリーでチャンピオンとなりました。

【次ページ】 226kmを走り、制限時間まであと5秒で……。

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稲田弘

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