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ストーブリーグの
勝ち組、負け組はどこか。
~MLB各球団の補強を総括する~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byAFLO

posted2011/01/27 06:01

パドレスからRソックスに移籍したゴンザレス。2007年から4年続けて30本塁打以上を記録

パドレスからRソックスに移籍したゴンザレス。2007年から4年続けて30本塁打以上を記録

 メジャーのキャンプインまで残り数週間。昨年のワールドシリーズ後にスタートしたストーブリーグも最終段階に突入した。今回の戦力補強に関して「勝ち組」「負け組」となったのは、どの球団か。米国内では今季の優勝予想とともに、早くもストーブ総括が始まった。

 勝ち組の筆頭に挙げられているのは、レッドソックス。正捕手マルチネス、三塁手ベルトレが退団したものの、トレードで一塁手のA・ゴンザレス(写真)を、またFAの目玉と言われた外野手カール・クロフォードを7年約118億円と破格の好条件で獲得した。昨年は終盤に失速したものの、ハイレベルな戦いの続くア・リーグ東地区で2007年以来の覇権奪回も、一気に現実味を帯びてきた。

 プレーオフの常連フィリーズには、現在メジャーの最高左腕と言われるクリフ・リーが加入した。これで'10年にサイ・ヤング賞を受賞したハラデーを筆頭に、オズワルト、ハメルズと、先発4人が「20勝カルテット」となる可能性もあり、破壊力十分の打線との総合力で、早くも優勝候補の最右翼に挙げられている。

真の「勝ち組」になるには、シーズン中の補強が重要。

 その一方で、補強に失敗したチームも少なくない。特に、エンゼルスは、松井秀喜(アスレチックス)の退団は想定内だったとしても、クロフォード、ベルトレらの獲得合戦に敗れ、目立った補強もできずに現在にいたった。低迷の続くマリナーズにしても、中堅クラスの獲得のみ。球団関係者が「今季の戦いも苦しくなりそうだ」と弱音を漏らすなど、キャンプ前の段階で早くも劣勢を覚悟せざるを得ない状況にある。

 もっとも、オフ期間に大型補強をした球団が、ワールドシリーズを制するとも限らない。昨季のジャイアンツ、'03年のマーリンズ、'05年のホワイトソックスなどは戦前の下馬評を覆し、資金力が豊富な球団を倒して世界一に登り詰めた。

 確かに、シーズン前の補強が重要であることは否定できない。だが、新戦力が機能しなければ、次の一手が必要となる。トレードの期限は7月31日。ヤンキースのオーナー、スタインブレナーが「うちはまだ(補強が)終わっていない」と言うのも、あながち強がりではない。常にチームの問題点を改善し、シーズン中も必要な補強を続けない限り、本当の意味での「勝ち組」になることは難しい。

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