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平尾誠二の死に戦友がかける言葉。
大八木淳史「平尾、何やっとんねん」
posted2017/02/10 07:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Naoya Sanuki
華麗なるステップとパスワークで観客を魅了し、一時代を築いたラグビー界の
レジェンドが、あまりにも、あまりにも早くこの世を去った。
共に夢を追いかけ、共に戦った大八木氏が語る、誰からも愛された貴公子の素顔。
レジェンドが、あまりにも、あまりにも早くこの世を去った。
共に夢を追いかけ、共に戦った大八木氏が語る、誰からも愛された貴公子の素顔。
最後に会ったのは、2015年の春から夏の間。新神戸駅の新幹線ホームでたまたま出くわしました。
僕が勤務先(当時・芦屋学園理事長)でのトラブルをいろいろ報じられていた頃だったので、「大八木さん大丈夫なんすか? 手伝いますよ。ぼく学長にでもなりましょか?(笑)」「アホか、お前のギャラ高すぎて払われへんわ」――学生時代、お好み焼きを食べながらアホ言いあってたのと変わらない、いつものやりとりでした。
様子も普段どおりでした。でも9月のW杯の解説としてテレビに映った時、痩せすぎやと感じました。その後、(具合が)よくないという話が入ってくるようになって……。本人は隠していたから、あえて直接訊くことはしませんでした。
高校から社会人、代表までずっとチームメイトだった。
平尾は僕の1歳下。兄弟でも家族でもないけれど、伏見工から同志社、神戸製鋼、日本代表と、ずっとチームメイト。現役時代は学校で、職場で、グラウンドでほぼ毎日顔を合わせていました。
引退後はベッタリではなかったけれど、考えていることは何となく、互いにわかっていたような気がします。たまに会えば近況報告をし合う。それで十分。
そんな不思議な関係でした。