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ソフトバンク飯田コーチの“大異動”。
守備走塁から打撃、その意図とは? 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2016/11/11 07:00

ソフトバンク飯田コーチの“大異動”。守備走塁から打撃、その意図とは?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

守備走塁コーチ時代に内川と“アゴタッチ”する飯田氏。ID野球で培った小技を若鷹に注入する。

スラッガーを育てる気風は残しつつ、小技を磨く。

「ファイターズの中島卓也。彼の粘りなんか本当にすごかった。打率は決して高くないし一発の怖さは全くないけど、相手チームからすればあんなに嫌らしい打者はいない。ホークスで言えば中村晃が一番近いかな。だけど、今宮(健太)、福田(秀平)、城所(龍磨)あたりのバッターもタイプの割に空振りが多い。粘っこさや嫌らしさを持った選手を育てていきたいです」

 その一方で、チームとしては、良き伝統をないがしろにするつもりもない。

 今年まで一人だった二軍打撃コーチは2人体制となる。飯田コーチともう一人、藤井康雄コーチが一軍打撃から転身することになった。現役時代は通算282本塁打を放ったスラッガーであり、コーチ業を始めてからは「4スタンス理論」を熱心に勉強。選手自身の持つ潜在的な力を最大限に発揮するための方法論を丁寧に説き、長打力アップを後押ししてきた。

 ホークスの野手陣はまもなく世代交代を迎える頃だ。来季で内川聖一が35歳、松田宣浩が34歳、長谷川勇也と本多雄一は33歳になる。

 二軍。小技。

 確かにテーマとしては、どうにも玄人好みしすぎた感はある。だけど言わせてほしい。

 地味にスゴイ。

 あの秋がホークスのターニングポイントになったよな、と評価される未来がくると信じている。

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