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勝田か奴田原か――勝者が年間王者を
獲得する最終戦新城ラリーは必見! 

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posted2016/10/26 17:30

勝田か奴田原か――勝者が年間王者を獲得する最終戦新城ラリーは必見!<Number Web> photograph by CINQ

初日から猛プッシュするも、惜しくも2位となった勝田範彦。ランキングトップの奴田原文雄の前でゴールし、ポイント差を7.1と縮め、最終戦に望みをつないだ。

主役の3人ではなく、鎌田がレースを引っ張る展開に。

 各陣営のポイント状況と思惑が複雑に絡むなか、迎えた第8戦はタイトル争い主役の3人ではなく、鎌田卓麻/市野諮組(スバルWRX STI)がSS1から快走。鎌田は、20代の頃から新井、勝田、奴田原に次ぐ次世代のトップドライバーとして注目を集め、サスペンションメーカーの若手育成ドライバーとして豊富な海外経験を積んできたドライバーだ。

 結局、2日間にわたって12SS中7本のSSでトップタイムを刻む速さで今季初優勝を飾った。

 2位には、初日の中盤で先行する奴田原を捕らえた勝田が入賞。奴田原は3位に終わるものの、ポイントランキングトップの座は死守した。

 一方、タイトル連覇に向けこのラリーで最も優勝が欲しかった新井は、序盤からエンジン不調に見舞われてタイムが伸び悩み、サービスで2度のタービン交換を行うものの4位でフィニッシュ。これにより、チャンピオン争いからは脱落が決まってしまった。

優勝争いは奴田原と勝田のふたりに絞られた。

 この結果、チャンピオン争いは奴田原と勝田のふたりに絞られた。最終戦の新城ラリーは、SSの総距離が100kmを超えるため、係数1.2が掛けられる。

 奴田原と勝田のポイント差は7.1点。有効ポイントシステムの関係から、奴田原を追いかける勝田は優勝する以外にこの点差を逆転する可能性はなく、奴田原もそれを阻止するためには優勝するしかない。

 勝田が優勝すれば、奴田原は2位でも、勝田の逆転を許してしまうのだ。両者ともチャンピオンを獲るには「勝つしかない」という状況の最終戦新城ラリー。チャンピオン争いからは脱落してしまったものの「このままでは終わりたくない」という新井や、第8戦でその速さを証明した鎌田が、タイトルをかけたふたりの戦いにどう絡んでくるのか。

【次ページ】 日本を代表する名物ラリーコースが待ち受ける!

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