球体とリズムBACK NUMBER
香川、清武、岡崎はCLで輝けるのか?
日本人所属3クラブのライバルを探る。
posted2016/09/13 15:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
AFLO
ロベルト・カルロスが掴んだ球は、本当に温かったのか。あるいは冷たかったのか、はたまたそのどちらでもなかったから別のボールを取り直したのか。
8月25日(日本時間26日)に行われたチャンピオンズリーグ(CL)・グループステージ(GS)抽選会の後、英国のタブロイド紙を中心にそのような陰謀説が展開された。およそ2カ月前に、前FIFA会長のゼップ・ブラッターがアルゼンチンの『ラ・ナシオン』紙に「ボールを温めたり冷やしたりすれば、抽選者が“それ”とわかるようになる。FIFAでは絶対にやっていないが、欧州レベルでそうしたことが行われていた現場をこの目で見た」と言ったこともあり、ドローの不正操作論が再燃したのである。
混戦気配のB、E組の一方で日本人所属クラブは……。
醜聞にまみれた80歳のスイス人の話が嘘か誠かは知る由もないが、今季のGSはなかなかいびつに見える。グループAはパリ・サンジェルマンとアーセナル、Cはバルセロナとマンチェスター・シティ、Dはアトレティコ・マドリーとバイエルン・ミュンヘンが、まず間違いなく突破するだろう。一方、力量はポット3、4レベルながら、ロシア王者ゆえにポット1となったCSKAモスクワが入ったグループEからは、彼らのほかにモナコ、レバークーゼン、トッテナムのいずれが勝ち抜けても不思議はない。グループBはベンフィカとナポリが有力だが、ベシクタシュとディナモ・キエフにもチャンスはある。
日本人選手の所属するクラブが組み込まれたF、G、Hグループはバランスが取れている方だ。Fのレアル・マドリー、Hのユベントスは抜きん出た存在だが、どのチームにも可能性はあり、レギュラークラスの同胞たちがドルトムント、レスター、セビージャの浮沈のカギを握るかもしれない。
仕組まれた抽選かどうかはさておき、今年も欧州、いや世界一のクラブ・フットボールが幕を開ける。その至高の舞台で日本代表選手たちはいかなる活躍を見せてくれるのか。我々日本人がもっとも気になる3グループを展望してみたい。