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単独無寄港世界一周ヨットレースへ!
白石康次郎、夢の実現まであと3カ月。

posted2016/08/02 11:00

 
単独無寄港世界一周ヨットレースへ!白石康次郎、夢の実現まであと3カ月。<Number Web> photograph by Yoichi Yabe

「ヴァンデ・グローブ」に向けて準備を進める白石康次郎と、新たな船〈スピリット・オブ・ユーコー〉。単独無寄港での世界一周を託す船の全長は、わずか18メートルである。

text by

矢部洋一

矢部洋一Yoichi Yabe

PROFILE

photograph by

Yoichi Yabe

 海洋冒険家として知られる白石康次郎が、念願のひのき舞台へ上がる切符をついに手に入れた。

 水産高校に在学中、白石は多田雄幸氏という日本人初の世界一周ヨットレース優勝者に弟子入りをした。もう30年も前のことだ。いつかは自分も大海原へ――と夢を抱いてのことだった。

 その夢を最初に叶えたのは、26歳の時。彼は、単独無寄港無補給による世界一周航海の最年少記録(当時)を、2度の失敗を乗り越えて達成した。

 以来白石は、2002年、2006年の計2回、単独でいくつかの寄港地を経由して世界一周するヨットレースに、“資金集めという最大の難関”を突破して参戦し、完走を果たしてきた。

 しかも単なる完走ではない。2006年のレースでは、戦いのレベルがもっとも高いクラス1に出場。そして優勝候補たちが次々にトラブルを抱えて脱落していく中を、ひたひたと走り抜き、総合2位に輝いたのだ。

 だが、そこはまだ白石の夢の途中だった。

究極のヨットレース「ヴァンデ・グローブ」とは?

 弟子の時代から彼が本当に目指し続けていたのは――単独世界一周ヨットレースの最高峰「ヴァンデ・グローブ」。

 それは無寄港、すなわちスタートからフィニッシュまでどこの港にも寄らずに一気に地球を駆ける究極の単独世界一周ヨットレースなのである。

 2位獲得の余勢を駆って、白石は「次はヴァンデだ!」とスポンサー獲得に努力を重ねる。たが、なかなか思う通りにチャンスは訪れなかった。その途中には、東日本大震災という大きな厄災も起こった。世の中は一時、ヨットレースのスポンサーどころではなくなっていたのである。

 しかし前回のレースから10年後、白石の地道な努力がついに報われる時がやって来る。

 今年(2016年)11月6日にフランス・レサーブルドロンヌをスタートする第8回ヴァンデ・グローブ単独無寄港世界一周レースを戦うための、資金獲得に目途がついたのだ。主となるスポンサーはいずれも以前から彼が長い付き合いを続けている会社だった。

【次ページ】 いきなりの大西洋横断レースで7位に食い込む。

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