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伊澤、丸山、佐藤、そして田島創志。
ゴルファーは戦いをやめない人種だ。

posted2016/06/18 11:00

 
伊澤、丸山、佐藤、そして田島創志。ゴルファーは戦いをやめない人種だ。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

プロ転向3年目で初勝利をあげ、その年は賞金ランクも19位。田島創志が現役を諦めるはずはない。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Yoichi Katsuragawa

「ここの芝を刈ろう」

 指令が下ったのは、試合開幕のわずか数日前のことだった。

 6月初旬に茨城県で行われた日本ツアー選手権、森ビルカップ。3カ月前に日本ゴルフツアー機構(JGTO)の幹部が刷新されて迎えた、初めてのJGTO主催トーナメントだった。

 この試合を迎えるにあたり、大会はコースセッティングの変更を積極的に推し進めた。「世界に出る選手を輩出すること」を大目標に掲げ、難度を最大限上げることを目指した。そのために今年腕を振るったのは、機構内の役員に就任した歴戦のツアープロたち。グリーンの硬さや、日々のピンポジション決めに頭をフル回転させた。

 その横からさらに、口を出したのが青木功新会長だったのである。

伊澤、丸山、佐藤らにアドバイザーを依頼。

 会場の宍戸ヒルズカントリークラブの17番ホールは、481ydと距離のあるパー4。両サイドのラフが深く、ティショットにミスが出れば、選手たちはグリーン手前の池を警戒して多くがボギーを覚悟する。コースの名物ホールを事前に歩いた青木には、このあまりにサディスティックな例年のセッティングが気にかかった。

 スタッフたちに指示したのは、右サイドの深いラフを短くすること。

「右のOBを恐れずに、果敢にドローボールを打ってくる度胸のいい人にはチャンスを与えたい。ラフを短くすれば、ワンバウンドしてもフェアウェイにボールが出てくる」

 これが試合当週のこと。新会長の意向から、すぐに横幅5ヤード、縦幅70ヤードあまりの芝が刈り下げられ、開幕を迎えたのである。

 31歳の塚田陽亮が初優勝を飾ったこの大会に限らず、舞台を作る側と、実際に演じる側の思惑は必ずしも一致するわけではないが、ツアーは今後各大会のコースセッティングを見直す方針だ。

 JGTOは今後、これまで国内外で活躍してきた選手に、各試合でコースセッティングのアドバイザーの役割を依頼するという。伊澤利光、丸山茂樹、佐藤信人といったビッグネームが挙がっており、彼らがいまの選手たちをより高いレベルに導くことを期待している。

【次ページ】 まだ40代の現役選手にとって、裏方の仕事とは。

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