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長友の一発退場は相手FWに狙われた?
インテルの来季CL出場は風前の灯に。

posted2016/04/05 10:40

 
長友の一発退場は相手FWに狙われた?インテルの来季CL出場は風前の灯に。<Number Web> photograph by AFLO

退場の判定に、長友は納得できない表情を見せた。インテルにとっても、ただの退場以上の痛手となった。

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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 インテルが瀬戸際に立たされている。

 今季の最大目標だったCLプレーオフ出場権獲得は、もはや風前の灯火だ。

 3位ローマへプレッシャーをかけるべく、リーグ中断明けに臨んだ3日の31節トリノ戦で、インテルは1-2の逆転負けを喫した。

 ローマとの勝ち点差8を挽回するために残された試合は、あと7回しかない。

「最終節までに、なるだけ多くのゲームで勝ち星を収めること。それ以外に我々に許された選択肢はないんだ」

 指揮官マンチーニは気丈に振る舞うが、大逆転への勝算を窺い知ることは難しい。

 現在のインテルは、シーズン前半戦に首位をひた走ったチームから大きく様変わりした。開幕当初から週替わりで先発布陣と戦術を変えながら「1-0」の堅守を誇った前期型インテルは、薄氷の勝利を積み重ねる泥臭さはあったものの、確固たるプレースタイル不在による脆さも孕んでいた。

クロアチアコンビを軸に攻撃を再建。

 特に、戦術の土台が定まらない攻撃陣が年明けから不調に陥ると、インテルは1月末のミラノ・ダービーや25節フィオレンティーナ戦といった重要なカードを立て続けに落とした。監督マンチーニは、シーズン半ばにして攻撃の基本コンセプトを練り直す必要に迫られた。

 4-2-3-1に固定した布陣の新たなベースとされたのは、MFブロゾビッチとFWペリシッチのクロアチア代表コンビだ。

 攻撃センスを見込まれたチーム2年目のブロゾビッチは、守備的MFメデルとダブル・ボランチをこなしながら、攻撃の基点であるレジスタとしても頭角を現した。ゲームの流れを読む力や2列目からの積極的な飛び出しは、これまで重用されてきたMFコンドグビアにはなかった武器だ。

 サイドから縦パスを使った展開では、冬に加入したFWエデルが囮役となってスペースを作り、FWリャイッチが走り込む形によってスピードと実効性が増した。仕上げ役は一対一に強いFWペリシッチだ。

 ゴールマウスに立ちはだかるGKハンダノビッチを含め、今のインテルは、旧ユーゴスラビア出身者抜きには成り立たない。

【次ページ】 ユーベ相手に3点差を追いついた後期型インテル。

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