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ハリルホジッチ、クラシコを語る。
「バルサのMSNは仲がいいから強い」
posted2016/04/01 11:00
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Shigeki Yamamoto
ロシアW杯2次予選の最終戦、シリアに5-0で快勝した翌日、ハリルホジッチ監督は、スペインのバルセロナに飛び立った。
現地バルセロナで、クラシコを生中継する『WOWOW』(4月2日深夜3時~)の解説を務めるためだ。
「バルセロナ対レアル・マドリーの試合を見られるのは大きな幸運だ。疲れたなどとは言ってられない。世界のサッカーにおける2つのクラブの最高の試合だ。この試合を直接見られるのは喜び以外の何ものでもない」
前夜はアドレナリンが出すぎて夜中の4時頃まで寝つけなかったという指揮官だが、疲れた表情も見せず、世界最高峰の一戦の見所を語った。
バルサの3人がピッチ外でも仲がいいのは「凄く稀」。
――バルセロナはリーガ・エスパニョーラでもチャンピオンズリーグでもいいサッカーをしていますが、バルサの魅力はどこにありますか?
「バルセロナが今実践しているのは途方もないサッカーで、質が高く効率的でもある。完璧なチームなのだが、その大部分はこの3人の天才たち……、つまりメッシとネイマール、スアレスがプレーの違いを作り出しているからだ。
レアル・マドリーは、クリスティアーノ・ロナウドとベイルがいるが、残念ながらバルサと同じではない。ジダンが監督を務めているが、(ベンゼマを含めた)3人の質はバルサとは異なっている。違いを作り出すうえで、バルサよりも威力が劣っている。
バルサの3人は、世界サッカー史上最強のトリオといえる。ではその力はどこにあるのか。それは、ピッチ外での3人の緊密な関係にある。彼らはお互いに友人だ。サッカーではとても珍しく、3人の最高の選手が仲の良い友だち同士であるのは、恐らくどこでもありえないことだ。その3人が一緒にプレーしてお互いをサポートする。凄く稀なことで、私は見たことがない。
ベンゼマとベイル、ロナウドは、サッカーの面ではバルサの3人にそう劣っているわけではない。しかし残念ながら、ピッチ内外の補完関係は存在しない。そこにバルセロナの優位があり、3人がバルサを世界最高のチームにしている」