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センバツはアルプススタンドに注目!?
2016年、話題のブラバン応援を紹介。 

text by

梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/03/20 08:00

センバツはアルプススタンドに注目!?2016年、話題のブラバン応援を紹介。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

前回優勝した時の大阪桐蔭(2014年夏の甲子園)。灼熱のフィールドで戦う選手と応援団を「音で繋ぐ」のが吹奏楽部だ。

見どころ聴きどころ満載の花咲徳栄。

 花咲徳栄のプレイボールは、THE SQUARE(現・T-SQUARE)の名曲「オーメンズ・オブ・ラブ」から。

 先日、同校吹奏楽部の定期演奏会にゲスト出演した、同曲の作曲者和泉宏隆氏は、「徳栄が野球応援でこの曲を使っていると昨年知人から聞き、びっくらこきました……!」とステージ上でコメントしている。

「30年前のフュージョン曲が、真島俊夫アレンジで吹奏楽曲となり、長く愛されて大変うれしい」とも。

 同曲の演奏が始まった瞬間、会場に駆けつけていた野球部全員が立ち上がり、客席で盛大に踊りながら野球応援を始めたのには、筆者もびっくらこき、演奏そっちのけで彼らに釘付けに。あんな斬新な演奏会は初めてだったが(笑)、野球部と吹奏楽部の関係性のよさがうかがえる、ナイスな演出であった。

 主に強打者の応援曲として使われる「サスケ」は、花咲徳栄の名物応援曲。過去にはオリックス・バファローズ入団3年目の若月健矢や、今年埼玉西武ライオンズに入団した大瀧愛斗らが使用。名前のかけ声をかけやすい曲でもあり、応援の生徒の声もよく出るため、同校の応援曲の中で最も盛り上がる曲といえるだろう。

 ほかにも、兄弟校である埼玉栄の名物応援「ロマンティック浮かれモード」の徳栄バージョンや、今大会初披露となる、映画「スウィングガールズ」でおなじみの「メキシカンフライヤー」や「ファイナル・ファンタジー」など、聴きどころ満載。埼玉県独特の文化ともいえる、野球部のキレと一体感のある多彩な振り付けも必見だ。

吹奏楽部女子をグラウンドに立たせた理由とは?

 オリジナル応援曲で、筆者が今もっとも好きなのが、東海大甲府の「東海マーチ」と「燃えろ東海」。

 2006年、同校吹奏楽部OBであり、現顧問の小俣広弥先生が同校に赴任した際、衰退気味だった吹奏楽部を本気にさせるべく一念発起。

 野球部が強かったこともあり、「まずは野球応援に力を入れよう」と決めたことが、オリジナル曲を作るきっかけだった。

 女子部員が中心の吹奏楽部の生徒たちを、野球部のグラウンドに立たせ、「全国を目指すということは、こういうことだ」と、甲子園を目指す彼らの真剣な練習風景や空気感を体感させた。

【次ページ】 3月のまだ冷たい風の中での演奏に注目して欲しい!

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