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内川不在に選手会長・松田宣浩が燃!
盤石SBを象徴する2人のリーダー像。
posted2015/10/27 10:40
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Nanae Suzuki
「内川さん、見てましたかぁ!」
ヤクルトとの日本シリーズ第1戦。先制アーチを放ったソフトバンクの松田宣浩は、お立ち台でそう叫んだ。
CSファイナルステージで左第7、第8肋骨を骨折していたことが判明。シリーズ直前での欠場を余儀なくされた内川聖一に向けての勝ちどきだった。
主将と4番という重責を担いながらレギュラーシーズンを戦い抜き、CSでもMVPを獲得した。大黒柱の戦線離脱はチームにとって大きな痛手である。しかし、内川の代わりに4番を任された李大浩が第2戦で決勝ツーランを放ったように、今のソフトバンクには軸を補うだけの戦力が揃っている。
日本シリーズでここまで2戦2勝と地力の差をヤクルトに見せつけているわけだが、強固なチーム力の背景はそれだけではない。
一枚岩。これこそが、ソフトバンクの強さを図る上で不可欠なキーワードとなる。
それを可能としているのが、選手会長の松田と主将の内川の存在なのだ。
パイプ役の選手会長・松田、チームを束ねる主将・内川。
近年のプロ野球は、「選手会長」と「主将」の二頭体制が常識となっている。
選手会長の主な仕事といえば、選手と首脳陣、球団とのパイプ役だ。チームの現状を日本プロ野球選手会と意見を共有しながらNPBに野球選手の地位向上を訴えかけ、社会貢献活動なども積極的に行っていく。
一方で主将はグラウンドで戦うチームのまとめ役と言っていいだろう。実績のある選手がその任に就き、自らの背中や言葉でもってチームを鼓舞する。
両者の関係性や役割は球団によって異なるだろうが、いずれにしても重要な「求心力」であることに変わりはない。