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あらゆる層をスタジアムへ!川崎のメインスタンド活用法。
~牧場、ヨガ……企画も超攻撃的~ 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2015/06/27 10:30

あらゆる層をスタジアムへ!川崎のメインスタンド活用法。~牧場、ヨガ……企画も超攻撃的~<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

スーパーフォーミュラのデモランも、4年目。改築したメインスタンドで一層の集客を狙う。

 今季J1で観客数を著しく伸ばしているのが多摩川を挟んでライバル同士のFC東京と川崎フロンターレである。

 J1全体の観客数は第12節終了時点(5月16日)で前年同比102%とほぼ横ばい。FC東京は開幕からのホーム6試合で平均3万623人と前年同比で5612人アップし、川崎も平均2万563人と5606人増やしている。

 要因を求めれば、FC東京は首位争いの効果に加えて森重真人、武藤嘉紀ら日本代表を多く抱えることで“ライト層”をしっかり取り込んでいる印象がある。一方の川崎は等々力競技場のメインスタンドを改築した効果が表れている。

 川崎と言えば、アイデア溢れるイベントの宝庫。ファミリー層をターゲットに、動物と触れ合える「牧場」やら、スーパーフォーミュラカーを陸上トラックで走らせる「デモ走行」やら、スタジアム周辺、ピッチ周りでファンが楽しめる空間を次々に企画してきた。それが新メインスタンドの完成によって、新機軸のイベントを展開するようになっている。

「試合とは別に楽しんでいく要素を用意しておきたい」

 6月7日の湘南ベルマーレ戦ではメインスタンド内のスペースで女性ファンを対象に、化粧品製造販売会社とのタイアップで観戦チケット付きのボディケア&ヨガ教室を開催。定員24人に対して3倍近い応募があったという。フロンターレの企画担当者はこう話す。

「いい反響があったと思っています。あらゆる(ファン)層に対して、試合とは別に楽しんでいく要素を用意しておきたいと考えていて、そのためにはメインスタンドも有効に使いたい。今後女性のお客さんに向けたこういうイベントをやることによって、今までサッカーにあまり興味のなかった方も足を運んでくれることにつながるのでは、と期待しています」

 イベントのみならず、子供たちの遊び場を設置したファミリーシートやアウトドア感覚で楽しめるパーティーシートなどファンの要望に沿った席種も好評だ。

 元々、川崎は地域密着を地道に進めてきたクラブ。市民22万人の署名によって競技場の改築が決定した経緯もあり、新しい等々力が市民憩いの場の象徴ともなっている。

 クラブが企画し、ファンが応える。

 両者の“幸福な関係”こそが、観客数を伸ばしている一番の理由なのだろう。

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