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Moto3クラスに登場した
久々のフランス人スター候補生。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2015/05/23 10:40

Moto3クラスに登場した久々のフランス人スター候補生。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

今季グランプリに参戦するフランス勢は、3クラス合わせても10人に満たない。その中にあって、「クアッタハッホ」は久々に速さを備えたチャンピオン候補だ。

 ホンダからMoto3クラスに参戦するフランス人のファビオ・クアルタラロが大きな注目を集めている。

 5戦を終えて総合4位。第2戦アメリカズGPでは、史上6番目、フランス人としては史上最年少記録となる15歳357日で初表彰台に立った。

 そして、第4戦スペインGPでは16歳12日で初ポール・ポジション(PP)を獲得。これは史上2番目の記録でフランス人としては史上最年少記録。先週ル・マンで行なわれた第5戦フランスGPでは、2戦連続でPP獲得を果たした。

 クアルタラロにとっては初めて迎えるホームGP。

 大きなプレッシャーの中で、予選では地元ファンの期待に応えたが、決勝はレース中盤に転倒を喫しリタイヤに終わった。

 ホームGPでグランプリ初優勝を目指していただけに悔しい結末となったが、そのときのコメントが実に良かった。

「スタートしてすぐに今日は厳しいレースになると思った。イチバン大変だったのはストレート。1台も抜けず、ライバルたちにリードを縮められた。その分、コーナーでがんばらなければならなかった。トップに立ったときは、(集団の)ペースを抑えてレースをコントロールしようと思ったが、それも無理だった」

 9台で繰り広げられた優勝争いのバトルだったが、16歳になったばかりのライダーだとはとても思えないコメントだった。

 中でも「ペースを抑えてレースをコントロールしようと思った」というのは、がむしゃらに走っているだけのライダーからは絶対に出てこない言葉であり、末恐ろしい可能性を秘めたライダーだということを感じさせてくれた。

初めて見たのは14歳の時だった。

 僕がクアルタラロを初めて見たのは、2013年のスペイン選手権のバレンシア大会だった。

 このシーズンはKTMが圧倒的に速く、ホンダのマシンは劣勢だったが、クアルタラロは2レース制だったこの大会で完全勝利を収めると、最終戦ヘレスでも勝って逆転チャンピオンを獲得。このとき14歳だった。

【次ページ】 15歳にもかかわらず特例ルールで出場が決定。

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