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「脂汗と喘ぐ息の勝者」ユベントス。
レアルを退け、CL決勝に至る95分間。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/05/14 14:30

「脂汗と喘ぐ息の勝者」ユベントス。レアルを退け、CL決勝に至る95分間。<Number Web> photograph by AFLO

CL決勝進出を果たし、喜びを爆発させるブッフォンとキエッリーニ。意外にも、ブッフォンはCLでの優勝経験がない。37歳、このチャンスを逃すわけにはいかない。

アッレグリが試合前に選手達に授けた策。

 そしてロッカールームから漏れ聞こえてくる馬鹿騒ぎの喧騒をよそに、アッレグリは試合後も冷静さを失っていなかった。

「選手たちは今夜、素晴らしい試合をした。言うことなしだ」と労った後、「後半、レアルは点を取るためによりリスクを冒してきたし、我々も2、3度決定機を作った」と激戦をふり返った。ベルナベウでの試合は困難極まる、と前置きした上で、メディアに対して2戦目に用いた策を明かして見せた。

「今夜選手たちには、相手を自陣に向かって走らせろ、と命じていた。彼らの中盤には、プレーを切ることのできる生粋の潰し屋がいない。だから、レアルはどこかで崩せるはずだ、とね」

「バルセロナはおよそ勝つことが不可能なチーム」

 的確な策を講じて、ユーベを一段ずつ欧州の高みへ引き上げてきたアッレグリへの評価が、急速に高まっている。

 気鋭の策士は「CLの決勝へ進んだチームがあるということは、イタリア・サッカー界にとって大きな意義があると思っている。(ファイナルで対戦する)バルセロナは、相手としてはおよそ勝つことが不可能なチームだろう。だがね、一発勝負なら何でも起こりうる。我々はやってみせるさ」という言葉に、ほんの少し力を込めた。

 '03年に獲り損ねたビッグイヤーをつかむチャンスを、ようやく手繰り寄せた主将ブッフォンの腹は決まっている。

「ベルリンには、観光しに行くんじゃない。CLのファイナルを戦えるチャンスは、人生でそうそうあるもんじゃない。だから、決勝戦に行くときってのは、勝つべきときなんだ」

 バカンスに行けるのは、6月6日の決勝戦後にずれこんだ。だが、それを憤慨するユベントスの選手は、一人もいないだろう。

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