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スーパーラグビー参戦決定。この道を進む覚悟とは。
~世界最強国リーグの一員に~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byKenji Demura

posted2014/12/20 10:30

スーパーラグビー参戦決定。この道を進む覚悟とは。~世界最強国リーグの一員に~<Number Web> photograph by Kenji Demura

2012年からNZのハイランダーズと契約している田中は、最高峰での経験で飛躍した一人だ。

 1試合で4トライ以上の獲得、及び7点差以内の敗戦にはボーナスポイントを与える。今ではワールドカップ(W杯)から日本のトップリーグまで採用されている勝ち点システムは、1996年に発足したスーパー12が源流だ。目指すのは、80分互いにトライを求めあう攻撃ラグビー。のちに14、15とチーム数を増やしながら、一貫してスーパーラグビー(SR)が掲げ続けた「世界最高のアタッキングラグビー」という看板には、発足時からのそんな工夫があった。

「'16年から、日本チームがSRに参入することが正式に決定しました。日本が世界の最強国リーグの一員になったことに、誇りと同時に大きな責任を感じています」

 11月21日、日本協会の矢部達三専務理事は言った。SRは、W杯過去7大会中6回を制しているニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ(南ア)という南半球3強国の精鋭を選りすぐったスーパークラブによる世界最高峰の大会だ。'16年からは現在の15チームを18に拡大。その3枠のひとつを日本が勝ち取り、日本は代表に準じたチームで参加する。

「フィジカルや技術だけでなく、考え方や取り組み方も、日本より一歩も二歩も進んでいる」。日本人初のSR選手となった田中史朗は話す。参戦は間違いなく日本選手の経験値を高めるだろう。

長時間の移動と時差、そして世界一激しいフィジカル。

 リスキーなチャレンジなのは確かだ。日本チームが入るのは南ア・カンファレンス。世界一の巨人国で、世界一コンタクトの激しいフィジカルラグビーの王国だ。選手は毎週のように長距離・長時間の移動、時差との戦いを強いられながら、未経験のタフな戦いに臨む。故障者も出るだろう。リーグ戦15試合のうち半分はホーム試合だが、南ア勢の負担軽減のため、うち3試合はシンガポールで行われ、3月から7月まで続くリーグ戦で、日本開催は4~5試合だけ。過酷な負担に対し、国内での露出効果はあまり望めない。選手に休む期間をどう与えるのか。トップリーグや日本選手権、大学選手権など国内スケジュールとの両立あるいは改編など難題は山積。改革は不可避だ。

 それでも参戦するのは、日本代表が上位国と対戦する機会があまりに少ないからだ。世界トップ10入りを果たした日本がさらに上を望むなら、他に道はないという覚悟の挑戦。日本協会の責任は重い。

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