スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
試合時間の短縮と5つの提案。
~野球好きも疲れる3時間半ゲーム~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2014/11/15 10:40
マウンドで捕手のアンソニー・レッカーと相談をするメッツの松坂大輔。彼に限らず多くの日本人投手が時間をかけて投球をする傾向にある。
優雅で鷹揚なのは野球の美点でもあるが……。
野球は、「時間に縛られないスポーツ」といわれる。サッカーやバスケットボールのように試合時間が決められているわけではないし、9回で決着がつかなければ延長戦を永遠につづけることも理論上は可能だ。これはもちろん、優雅で鷹揚な野球の美点に結びつくのだが、一方でファン離れを呼び起こす要因となりかねない。
実際の話、捕手と投手が何度もサインの確認をしたり、内野手が投手にお節介を焼いたり、打席に入った打者がリストバンドの位置を調整したりする光景には、私もあくびを抑え切れない。こういう無駄はさっさとなくすに越したことはないだろう。今年のシーズンオフ、大リーグ機構は、アトランティック・リーグの実験に対してどんな反応を示すのだろうか。そのあとに玉突き現象が起こり、日本のプロ野球の試合時間も短くなってくれれば嬉しいのだが。