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好記録の宝庫。
~アジア大会、日本人選手の躍動~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byGetty Images

posted2014/10/15 10:10

好記録の宝庫。~アジア大会、日本人選手の躍動~<Number Web> photograph by Getty Images

アジア大会で金4個・銀1個・銅2個のメダルを獲得して大会MVPに選ばれた萩野公介。日本人のMVP受賞は、1998年の伊東浩司、2002年の北島康介に続いて3人目となる。

 アジア大会の意味合いは競技によってずいぶん異なる。卓球やバドミントンのようにアジア王者がそのまま世界王者という競技もあるが、全体としてはそうではない競技のほうが多い。アジア王者というタイトルをどう考えるかは、いろいろだ。陸上競技や水泳では種目によって世界レベルのものもあるが、アジア大会優勝でもオリンピックではメダルを狙えない種目もある。選手としては、アジア大会に向けてモチベーションをどうやって上げていくか、なかなか難しいはずだ。だからアジア大会は、記録的にはいま一つということが多いのではないか――常識的には、そのように思える。

 だが詳しく振り返ってみると、そのような考え方は間違っていることが分かる。アジア大会は案外いい記録が出ているのである。具体的に見てみよう。

今大会では萩野、入江、渡部ら水泳陣が好記録をマーク。

 今回の2014年仁川大会では、水泳でレベルの高い記録が出た。

 男子200m自由形で萩野公介が1分45秒23の日本新記録で優勝。中国の孫楊、韓国のパク・テファンという、ロンドン五輪で同タイム銀メダルを獲得した2人と競り合っての優勝だった。このタイムは、2013年の世界選手権でも銀メダルに相当する。

 男子100m背泳ぎでは入江陵介が52秒34、これは彼自身が持っている日本記録52秒24には及ばなかったが、それでも2013年世界選手権なら金メダルに相当するタイムだった。

 そして女子200m個人メドレーでは、渡部香生子が今年2度目の日本新記録となる2分10秒58で2位。8月のパンパシフィック選手権から1カ月後の大会であり、記録を出しやすい時期ではなかったと思うが、その中で出した日本記録は価値があったように思う。

4年前の広州大会は福島、村上ら陸上勢が大活躍した。

 前回の2010年広州大会では、陸上競技で男子400mの金丸祐三が日本歴代6位に当たる45秒32で2位。女子100mでは福島千里が準決勝で11秒32(追い風1.1m)、決勝は11秒33(同1.2m)で、日本選手として44年ぶりの優勝を果たしている。そしてやり投げでは男子の村上幸史が自己記録(当時)の83m15で優勝、女子でも海老原有希が61m56の日本記録(当時)を出して優勝している。

【次ページ】 北島康介が初の世界新をマークした'02年釜山大会。

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