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“元大関”高砂親方が語る、新大関豪栄道の可能性。
~ストップ・ザ・白鵬のチャンス~ 

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

PROFILE

photograph byKYODO

posted2014/09/02 10:00

力を活かした右四つが得意の豪栄道。9月場所では、万全の相撲を見せることが出来るか。

力を活かした右四つが得意の豪栄道。9月場所では、万全の相撲を見せることが出来るか。

 昇進伝達式で、「これからも大和魂を貫いてまいります」と、力強く言い切った豪栄道。関脇在位14場所、白鵬を2場所連続で撃破したことが評価されての昇進だった。ある元横綱は、先場所の豪栄道をこう見ていた。

「負けた相撲でも前に出ていて、もう2番くらいは勝てたかも。優勝してもおかしくなかった。豪栄道の初優勝は近いだろうね」

 しかし、新大関のお披露目となるはずの夏巡業は、休場を余儀なくされてしまった。名古屋場所中の12日目に左膝半月板損傷の痛手を負っており、その治療に専念するためだという。

 1985年3月場所後に大関に昇進した元朝潮の高砂親方は、自身の経験を踏まえ、語ってくれた。

「当時、俺も6度目の大関取りでやっと昇進したんだ。12日目に大関は当確していたんだが、その翌日にケガをしてしまってね。ケガしたまま大関に昇進して、その意味では勢いを殺してしまったな。俺の大関在位36場所の記録なんて名誉じゃない。大関という地位は“駆け上がる”もの。千代の富士も、弟子だった朝青龍も、大関を3場所で通過して、横綱に昇進したからね」

「今の白鵬が衰えているのは確実。隙があるよ」

 さらに豪栄道に助言する。

「昇進基準の星数が足りないなどと言われ“恩情昇進”という見方もされる。そこは謙虚になって、『さらに頑張ろう。昇進してからの俺を見てください!』という心意気でいればいい。オールマイティじゃなく、愚直なまでに自分の相撲の形を突き詰められるヤツが、横綱や大関になれる。ただひとつ心配なのは、体が小さいことなんだけど……」

 豪栄道の昇進により、モンゴル出身3横綱、和製3大関が揃い踏みとなった。高砂親方の現役当時は、北の湖、千代の富士、隆の里の3横綱、琴風、若嶋津、北天佑、朝潮の4大関が鎬を削っていた時代でもある。

「千代の富士の全盛時代もあり、俺たち大関もそれぞれが星のつぶし合いで、なかなか優勝できなかった。でも、今の白鵬が衰えているのは確実。隙があるよ。大関陣にとって今が優勝の狙い目だ。優勝すれば、その“次”が見えてくる」

 綱をつかめなかった元ベテラン大関は、そう若き大関たちにエールを送った。

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