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イケメン遠藤に求めたい土俵での“泥臭さ”。
~出稽古で揉まれて強くなれ!~ 

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/09/20 10:30

イケメン遠藤に求めたい土俵での“泥臭さ”。~出稽古で揉まれて強くなれ!~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 遠藤が、3場所ぶりに前頭筆頭まで番付を上げた。今年の3月場所では、初めて上位陣と総当たりして6勝9敗。2場所連続で負け越したものの、先の7月場所では8勝7敗と勝ち越し。端正なマスクを崩し、ホッとしたような笑顔をのぞかせていたものだ。

 誰もが遠藤について、「もっと出稽古で鍛えなければ」と口を揃えていたが、ようやくこの9月場所前、東京では初めての出稽古に臨んだ。

 出稽古先は、栃煌山、碧山、栃ノ心らが揃う名門春日野部屋だ。初めて春日野部屋の稽古場に佇んだ遠藤の姿を目にし、いささか驚いた。なんとも「小さく」見えるのだ。遠藤の所属する追手風部屋では、先場所新十両デビューを果たした大栄翔のほか、それに続くべく幕下力士6人がしのぎを削っている。そんな「ホーム」での遠藤は、関取の証しである白い稽古まわしがまばゆいほどに、大きな存在感を放っていたのだが……。

「学習能力があって成長している」と話す親方も。

 出稽古初日は、どこか気後れ気味でもあったようだ。197kgの碧山に一発で壁際まで押し出される。ケガで幕下まで番付を落としたものの、先場所十両優勝で復活を遂げた元小結栃ノ心には、軽々と吊り出されてしまう。

「関取衆との稽古にまだ慣れていないので……。雰囲気が違って温度差もあった」

 稽古後、そう言葉少なに口を開いた遠藤。出稽古2日目以降は、自分から、「(もう一番)お願いします!」とくらいつき、積極的な姿勢を見せるも、同じく出稽古に現れた白鵬には軽くあしらわれ、何度も土俵に這わせられていた。そんな姿を見た春日野親方は、「まだまだだな……」と一言で厳しい評価を下したが、碧山は遠藤を警戒しているという。

「稽古では勢いで持っていけたけど、彼はいなしたり上手出し投げがうまいし、低く当たってくるから、本場所の土俵では苦手な相手ですよ」

 また別の親方はこうエールを送る。

「この出稽古の3日間だけを見ても、学習能力があって成長している。これからも出稽古で揉まれるのがいい。逸材ではあるから、角界全体で育てるつもりでね」

 伝統ある名門部屋の土俵で転がされ、泥まみれになった遠藤の背中を見て思う。スマートなイケメン力士にこれから必要なのは、「泥臭さ」だ。

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