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<知将対談> 岡田武史×関塚隆 「全ての結果は、初戦にかかっている」 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byYusuke Nishimura

posted2014/06/13 11:00

<知将対談> 岡田武史×関塚隆 「全ての結果は、初戦にかかっている」<Number Web> photograph by Yusuke Nishimura
W杯を2度率い、南アでは日本をベスト16進出へと導いた岡田武史。
ロンドン五輪で、44年ぶりのベスト4入りを成し遂げた関塚隆。
世界と対峙してきた2人の指揮官が、ブラジル大会の勝利の鍵を語る。

――岡田武史監督は2010年の南アフリカW杯で日本代表をベスト16に導き、関塚隆監督は2012年のロンドン五輪でU-23代表を率いて4位という成績を残されました。世界大会で日本が躍進を遂げた経験を踏まえながら、ブラジルW杯に向かうザックジャパンについて、様々な観点からお伺いしたいと思っています。

 まず、アルベルト・ザッケローニ監督が選んだ23人のメンバー構成について、率直にどういう感想をお持ちでしょうか?

大久保はやっぱり、と思うと同時に意外だったのは……。

岡田   大体予想どおり。ザックは和を大事にすると言ってきたし、これまでのメンバーを大きく変えることはないと思っていた。あとは大久保を入れてくるかどうかと見ていたけど、やっぱり入れてきたか、と。逆にあれっ、外したのかと思ったのは細貝。ボランチのほかにサイドバック、ストッパーもできるユーティリティーがあるからね。サイドバックを2枚ずつ入れてきたのは、ケガ明けの内田の状況を踏まえてのことなのかな。

関塚   ケガをしていた内田、吉田、長谷部の状態を見ながらの人選ではあるでしょうね。ザックさんは各ポジションに2人ずつというのが基本姿勢で、今まで継続していることを重視した23人だなっていう印象を受けました。Jリーグで結果を残している大久保が入ったことは、自国のリーグの評価にもつながってくるので嬉しかったですよ。細貝が外れたことは、僕もちょっと意外でしたが。

スピードとパスワークで勝負するために“捨てた”こと。

岡田   高さがないという指摘はあるだろうけど、高さがあるだけで選手を選べない。高さに特長を持つタイプを試してきて、うまくいかなかったから、中途半端なことはしないほうがいいとザックは思ったんじゃないかな。

関塚   日本のストロングポイントを考えて、スピードとパスワークで勝負していくには何かを捨てるという選択肢もあると思うんですよね。確かに気になるのは守備における高さ不足かもしれませんが、メンバーの特長で対応するという発想より、戦術で対応しようという計算がザックさんのなかで働いたんじゃないかなと思います。

岡田   そうだね。セットプレーの守備を考えるとそりゃあ怖い。でもそのためだけに貴重な要員を割くわけにもいかない。バルセロナみたいに(セットプレーを)ゾーンで守って、むやみに決められているわけでもないし、身長のないチームでも策はある。それから、下がって守るという発想ではなく、日本が勝つには前からプレッシャーをかけていくしかないという決断も見え隠れしている。

【次ページ】 コーチの立場でザックを見ていた関塚氏が感じたこと。

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