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長谷川穂積、渾身の打撃戦で散る。
世界15戦目で見せ付けた“集大成”。 

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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photograph byHiroaki Yamaguchi

posted2014/04/24 11:45

長谷川穂積、渾身の打撃戦で散る。世界15戦目で見せ付けた“集大成”。<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

ロープを背負い、真っ向の打ち合いを受けてたった長谷川穂積。7回でTKO負けを喫したが、長谷川のボクシングの集大成といえる試合を見せてくれたのではないだろうか。

試合後、弟分を逆にいたわる33歳の姿が。

 試合後、サングラス姿の長谷川は控え室から大阪城ホールの地下通路を抜けて駐車場に向かった。長谷川の周りを無言で取り囲む記者の群れをかき分け、前座のリングに上がった粟生隆寛(帝拳)が泣きじゃくりながら長谷川のもとに駆け寄った。嗚咽する粟生の肩を、長谷川が笑みを浮かべながら抱きかかえるようにして叩く。

「しゃあないわ」

「ありがとうな」

 聞こえはしないけど、そんなことを言っているのだろう。かつて長谷川の弟分と言われた粟生も、気が付けば30歳になった。兄貴の敗北に肩を振るわせる30歳を、逆にいたわる33歳。その姿は偉大な足跡を残したサウスポーの時代が静かに幕を閉じたと感じさせた。

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