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契約期間外の指導と、“オレ流”。
NPBは、今こそ明確な基準と運営を! 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byTamon Matsuzono

posted2014/01/19 08:15

契約期間外の指導と、“オレ流”。NPBは、今こそ明確な基準と運営を!<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono

現役時代から“オレ流”指導には定評があるだけに、今回の騒動がもどかしい。野球協約の信頼性を取り戻すためにも、NPBにははっきりとした結論を出してほしい。

 そこんとこははっきりして欲しいし、しなければいけないのではないのか――。

 年明け早々に中日・落合博満GMの行動が物議を醸した。

 1月7日、ナゴヤ球場の視察に訪れた同GMが、たまたま室内練習場で自主トレをしていた松井佑介外野手に対し、100分間にも渡って指導した。

 このことが「球団又は選手は」選手契約期間外の12月1日から1月31日のポストシーズンは「いかなる野球試合又は合同練習あるいは野球指導も行うことはできない」と規定している「野球協約第173条」に抵触するのではないかと問題になったわけである。

 当の落合GMは「オレはユニフォームを着ていない。それは監督、コーチのこと。協約は全部、確認している」と説明。また中日球団も「わざわざ集めたわけではなく、選手が自由意志で聞いている。法の精神を考えれば協約に違反する話じゃないと思っている」(西山和夫球団代表)と問題はないという見解を示してNPBに報告した。

 報告を受けた熊崎勝彦新コミッショナーも「文言だけを見たら(野球協約)違反じゃないかというが、色々な角度から見ていかなければならない。球界の実情に合うにはどうしたらいいか……」と「173条」の在り方そのものを含めて、含みを持たせた考えを示している。

 以上が落合GMの“協約違反疑惑”に関する事実経過である。

そもそも、この「173条」は今の時代に合うのか。

 さて、この一連の事実経過で、問題はいくつかある。

 大きな部分では、この「173条」が今の時代に合ったものなのかどうかということだ。

 すでに新人選手については、プロの練習方法などが分からないため1月からトレーニングコーチによる指導は認められている。また、キャンプイン直前に各球団の選手会が、自主的に選手を集めて合同練習をするのも当たり前の風景となっている。

 そうした流れから入団5年以内の若手選手には、本人が希望すればコーチが指導してもいいのではないか、という声は前々からあるのも事実だ。その点を踏まえて熊崎コミッショナーも「球界の実情に合うにはどうしたらいいか……」と含みを持たせた考えを示したわけだ。

【次ページ】 現在あるルールは、それでも守らなければならない。

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