Number on NumberBACK NUMBER

6人目の60本。
~バレンティンとボンズらを比較~ 

text by

小川勝

小川勝Masaru Ogawa

PROFILE

photograph byHideki Sugiyama

posted2013/11/18 06:01

6人目の60本。~バレンティンとボンズらを比較~<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

前年の31本塁打からほぼ倍増となる60本塁打を放ったバレンティン。シーズン長打率でも.779と、ランディ・バースを抜いてプロ野球史上最高を記録した。

 ウラジミール・バレンティンの年間本塁打記録は、ちょうど「60号」となって日本のプロ野球史に新たな1ページを書き加えた。55号からちょうど5本の更新。60本という新たな大台に到達したことで、日本プロ野球の本塁打記録は今後、新たな基準で語られることになった。

 米大リーグには歴史上、年間60本以上の本塁打を記録した選手が5人いる。ベーブ・ルース、ロジャー・マリス、マーク・マグワイア、サミー・ソーサ、そしてバリー・ボンズ。マグワイアは2度、ソーサは3度記録している。記録した国は違うが、同じ「年間60本以上」として、今年のバレンティンと、米大リーグにおける5人の打撃内容をいろいろな角度から比較検討してみたい。

●日米球界の年間60本塁打以上
年度 選手名(所属) 年齢 本塁打率 出場試合 打率 打点 出塁率 長打率
73 '01 B・ボンズ
(ジャイアンツ)
36 6.52 153 .328 137 .515 .863
70 '98 M・マグワイア
(カージナルス)
34 7.27 155 .299 147 .470 .752
66 '98 S・ソーサ
(カブス)
29 9.74 159 .308 158 .377 .647
65 '99 M・マグワイア
(カージナルス)
35 8.02 153 .278 147 .424 .697
64 '01 S・ソーサ
(カブス)
32 9.02 160 .328 160 .437 .737
63 '99 S・ソーサ
(カブス)
30 9.92 162 .288 141 .367 .635
61 '61 R・マリス
(ヤンキース)
26 9.67 161 .269 141 .372 .620
60 '27 B・ルース
(ヤンキース)
32 9.00 151 .356 164 .486 .772
60 '13 W・バレンティン
(ヤクルト)
28 7.32 130 .330 131 .455 .779
※本塁打率=1本塁打あたりの打数。年齢は開幕時点。太字は各部門でのトップ3。

本塁打率で上なのは70本台のボンズとマグワイアだけ。

 まず、出場試合数という観点から見ると、バレンティンは、日米球界において最も少ない試合数で60号を記録した選手となった。現在、日本のプロ野球は144試合制だが、バレンティンは今年、130試合しか出ていない。開幕前のWBCにオランダ代表として出場した際、キューバ戦で左太ももに肉離れを起こし、開幕は二軍だった。一軍での試合出場は開幕13試合目のことだった。開幕から一軍でプレーしていたら、おそらく、もう少し打っていたのではないだろうか。

 米大リーグで記録された60本以上の中で、1本あたりの試合数が一番少なかったのは2001年のボンズ(73号)だった。平均すると約2.1試合に1本の割合だ。今年のバレンティンは約2.2試合に1本。試合数から見ると、バレンティンは日米球界史上、2番目のペースで60本以上を打ったことになる。

 試合数から見るとそうなるが、本塁打率から見ると、どうなのか。バレンティンの本塁打率は7.32打数に1本塁打という割合だった。これは、年間73本塁打の米大リーグ記録を樹立した2001年のボンズ(6.52打数)、および70本塁打を打った1998年のマグワイア(7.27打数)に次ぐ、3番目の数字になる。バレンティンを上回るペースだったのは、ボンズとマグワイアが70本塁打以上を打った年だけだったわけだ。

【次ページ】 四球数で比較すると、相手は案外勝負をしていた!?

<< BACK 1 2 NEXT >>
1/2ページ
関連キーワード
バレンティン
バリー・ボンズ

ページトップ