まさかこれほどプレースタイルが変わっているとは。
12月17日、デュイスブルク対ボーフムの試合を観に行くと、今年7月にボーフムに移籍したチョン・テセが別人のようなスタイルでプレーしていた。
川崎時代のテセと言えば、パワーを生かしてブルドーザーのように相手をなぎ倒してシュートを打つイメージが強かったように思う。だが、このデュイスブルク戦はまったく違った。4-5-1の1トップの位置に入り、小刻みにステップを繰り返して、常にDFラインの裏に飛び出ることを狙っていた。あえてたとえるなら、まるで広島の佐藤寿人のようなプレースタイルだった。
パワー重視だったテセがドイツ2部ではスピードスターに!?
そして後半8分、その「裏に出る動き」がついに報われる。中盤から出たスルーパスで一気に抜け出してGKと1対1の場面を作り、ダブロフスキの決勝弾をアシストした。ボーフムは1対0で勝利し、これで4連勝。順位こそ8位だが、昇格圏内の3位まで勝ち点差3に迫った。テセは16試合で8点を決め、完全にチームのエースになっている。
まるで佐藤寿人のようだったのでは?
試合後、そうテセに問うと、「(ボーフムでは)いつも僕はこんな感じなんですよ」と笑顔で答えた。
「相手のラインの裏に抜け出ると、スピードで絶対に勝てるから。それを今日は狙ってやってました。まあ、寿人さんならもう1点くらいチャンスがあったと思う(笑)。僕はまだこの動きに、あまり慣れてないから。今日のデュイスブルクは、すごくDFラインが高かった。こんなにラインが高いことは2部ではあんまりないので、楽しかったですね」
繰り返しになるが、川崎時代、テセは速さというよりも強さの方が目につく選手だったように思う。スピードという面では、もっと優れた選手が他にいた。だがドイツ2部においては、「絶対に勝てる」と断言するほどスピードが武器になっているのである。
状況に応じてプレースタイルを短期間で変えられるテセの適応力に驚きながらも、それと同時に、あらためてJリーグのスピードレベルの高さに気付かされた。
スピードを武器に海外で活躍するJリーガーたち。
実際、他の元Jリーガーも、スピードが大きな武器になっている。
シャルケに移籍した内田篤人は12月4日のバイエルン戦で、対峙したフランス代表のリベリーにほとんど仕事をさせなかった。チームは2対0で勝利。内田は試合後、「リベリーとよーいドンで勝負しても、負ける気がしなかった」と語った。
フランス代表のリベリーはヨーロッパでも1、2を争う足が速い選手で、スポーツビルト誌がピッチ内のスピードを計測して、「200メートルの五輪選手級」と太鼓判を押したことがあるほどだ。内田はそのリベリーと同じレベルの速さがあるとすると、少々話が飛躍するかもしれないが、「日本で速い=世界トップレベル」と考えていいことになるだろう。
ドルトムントに移籍した香川真司については、もう説明する必要はないだろう。クロップ監督が「驚くほど素早い」と絶賛するように、一瞬の切れを武器にブレイク。ドルトムントの首位独走の原動力になり、ブンデスリーガ公式HP選出の「前半戦MVP」に輝いた。
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