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天皇賞・秋、トウケイヘイローと武豊は
サイレンススズカの夢を見るか? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byEiichi Yamane/AFLO

posted2013/10/26 08:02

天皇賞・秋、トウケイヘイローと武豊はサイレンススズカの夢を見るか?<Number Web> photograph by Eiichi Yamane/AFLO

鳴尾記念、函館記念、札幌記念と2000mの重賞を3連勝中のトウケイヘイロー。1987年のニッポーテイオー以来となる秋の天皇賞での逃げ切り勝ちを決めることができるだろうか。

 昨年の年度代表馬か、サイレンススズカの再来を思わせる逃げ馬か。それとも、連覇を狙うあの馬か――。

 台風27号の影響が懸念されている10月27日の第148回天皇賞・秋(東京芝2000m、GI)。降雨による馬場悪化は避けられそうになく、もともと混戦と見られていたこのレースの勝ち馬予想を、さらに難しくしている。

負けられないジェンティルドンナ。

 1番人気に支持されるのは、昨年、牝馬三冠とジャパンカップを勝って年度代表馬となったジェンティルドンナ(牝4歳、父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)か。今年は春のドバイシーマクラシック2着、宝塚記念3着と勝ち鞍こそないが、一線級の牡馬を相手に安定した力を発揮しつづけている。

 ジェンティルは、本稿に何度か書いた「OGG三強」の1頭だが、ここには他の2頭、オルフェーヴルとゴールドシップがおらず、天皇賞・春を勝ったフェノーメノも不在となれば、「負けるわけにはいかない一戦」だろう。

 だが、切れ味が武器の牝馬にとって、渋った馬場は歓迎材料とは言えない。追い切りの動きからして状態はよさそうだが、良発表でありながら何人もの騎手が「馬場が重かった」と表現した宝塚記念のように、案外動けないまま終わってしまう可能性もある。

重馬場の札幌記念を逃げ切ったトウケイヘイロー。

 そうなると浮上してくるのが、重馬場の札幌記念を圧勝したトウケイヘイロー(牡4歳、父ゴールドヘイロー、栗東・清水久詞厩舎)だ。

 安田記念を賞金不足で除外になって2000mの鳴尾記念に向かい、そこを武豊の手綱で逃げ切ってから、この馬のイメージも路線も大きく変わった。次走の函館記念、つづく札幌記念も強敵相手に逃げ切り、一躍、天皇賞・秋の有力候補として注目されるようになった。

 中距離のレースで、オーバーペース気味の逃げを打ち、そのまま押し切る。そして鞍上が武となれば、「稀代の快速馬」サイレンススズカの再来として、サイレンスが果たせなかった秋の盾獲りの夢を叶えてほしい、と思う人が当然多くなる。

 武自身は、実績で差があるだけに、この馬とサイレンスをオーバーラップさせて見られることをあまり歓迎していないようだ。それでも、天皇賞・秋に向けて、「やることが決まっているし、思い切って乗れる楽しみはありますよね」と話している。

 抑え切れないほどの勢いで突っ走ろうとする馬を、やわらかな当たりでなだめ、後続になし崩しに脚を使わせるラップを刻みながら、馬場状態に合ったフォームで走らせる……GI100勝に王手をかけている名手の真骨頂が見られそうだ。

【次ページ】 連覇を狙う“あの馬”は昨年以上に順調。

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