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<ロングインタビュー> ジョゼ・モウリーニョ 「私は以前よりも良い監督になった」 

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ロブ・ビーズリー

ロブ・ビーズリーRob Beasle

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posted2013/09/27 06:00

<ロングインタビュー> ジョゼ・モウリーニョ 「私は以前よりも良い監督になった」<Number Web> photograph by AFLO
クラブの内外に“敵”を作り、レアル・マドリーを去った男は、
6年振りに“愛される場所”に帰還を果たした。スペインを去る決断、
プレミアに復帰した理由を、余すことなく赤裸々に語り尽くした。

――今回のチェルシー復帰は、実に6年ぶりになる。まずは古巣に戻ることを選んだ理由から聞かせてもらえるだろうか?

「自分が戻るべき場所に戻ってきたんだ。私はサッカー界で最も重要な国々で仕事をしたいと思ってきた。だからこそイングランド、イタリア、さらにはスペインを渡り歩いたわけだが、この間も将来の身の振り方は、心の命ずるがままに決めたいと公言し続けてきた。それがイングランドに、そしてチェルシーに復帰するという選択だったんだよ」

政治が大きく物を言うレアルはクラブの域を超えていた。

――とはいっても、かなり勇気の要る決断だったと思う。レアル・マドリーを率いるというのは、どんな監督にとってもキャリアの頂点となるはずだ。

「たしかにレアル時代も悪くはなかった。特に監督になった2年目、我々は1シーズンで121ゴールと勝ち点100を稼ぎ、リーガで優勝を果たしている。これはスペインサッカー史上、最高の記録だ。

 だが3年目はクラブの会長選が再び始まり、レアルは異様な雰囲気に包まれてしまった。ああいう状況の大変さは、現場にいた人間でなければ理解できないと思う。

 それでも私のチームは、コパ・デル・レイで決勝に勝ち上がった。最終的にアトレティコに敗れてしまったが、CLでも準決勝に進出している。だが全体的に見るならば、やはり私にとって満足できる内容ではなかった。

 それともう一つ。レアルが特別な存在であるのは事実だとしても、あそこは単なるクラブの域を超えている。政治が大きく物を言うし、サッカーのことだけを考えていればいいというわけにはいかなくなってしまう。

今まで仕事に口を挟むことはなかった妻からの助言。

 妻の意見は正しかったよ。君も知っての通り、彼女は仕事に口を挟むような人間じゃない。でも私に対して『サッカーに情熱を注ぐ意味でも、あなたは仕事をしていて楽しいと思える場所に行った方がいい』と助言してくれた。練習のメニューを作り、毎日、選手と一緒にグラウンドに出て汗を流す。自分にモチベーションを与え続けるために、私は心の安らぎを必要としていたんだ。

 でも、もう後ろは振り返らない。チェルシーには探し求めてきたすべてのものがあるし4年間の契約も結んだ。未来を見据えて、自分が愛するクラブのために尽くすだけさ」

【次ページ】 私は“昔の名監督”としてはみられたくない。

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