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石川遼に求めたいプレー中の“笑顔”。
~苦闘の米ツアー、漂う悲壮感~ 

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三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byGetty Images

posted2013/09/03 06:01

石川遼に求めたいプレー中の“笑顔”。~苦闘の米ツアー、漂う悲壮感~<Number Web> photograph by Getty Images

 石川遼は大丈夫かな、と内心思っているファンは多いのではないか。

 それは、同じ歳の松山英樹の活躍が強烈で、明と暗がより鮮明に浮び上がってしまうからだろう。

 今年最後のメジャー大会、全米プロゴルフ選手権。3日目までは石川が21位につけ、松山は38位となかなか調子が上がらなかった。しかし最終日、終わってみれば松山が4連続バーディなどで巻き返し19位、逆に石川はスコアを2つ落として29位となった。この結果、全米プロ終了時点で松山は賞金ランク113位となり、来季の米ツアーシード権(125位以内)もほぼ確定。世界ランキングも自己最高の29位まで浮上した。

 石川は賞金ランク151位、世界ランク153位。この数字の差が両者の今季の戦いぶりを示している。

 だからといって、“松山=快進撃、石川=無念”との図式をあてはめ、「これからは松山の時代だ」と安易に決めつけてしまうのも少し違うと思う。2人の世界挑戦はまだ始まったばかりだ。

 確かに成績には反映されていないけれど、石川はもがく中で確実に成長している。米ツアーでは予選落ちが10試合を数えるが、マスターズ38位、全米プロ29位という結果も含め、米国を拠点にフルシーズンを戦い抜いた経験は決して小さくないはずだ。

 事実、弱点だったゲームマネジメントも巧みになってきているし、スイングも徐々によくなっている。

ゴルフ以外でもキャディと関係を築けば、余裕も出てくるのでは?

 ただ、ひとつ気になるのは、プレー中になかなか笑顔が見られない点だ。今シーズンの石川は、ゲーム中の4時間ずっと悲壮感を漂わせているようにも映る。

 米ツアーに慣れようとする余り、ひとりですべてを背負い込んでいるのではないか。帯同するキャディとゴルフ以外の部分でも連携できる関係を築ければ、もう少し余裕が出てくるのかなとも思う。

 一方で、松山と、東北福祉大の先輩である進藤大典キャディとのコンビを見ていると、ゲーム中のオンとオフの使い分け、つまり真剣にプレーと向き合う場面以外でも息抜きや笑顔の時間を共有しているのが伝わってくる。

 オンとオフの切り替えと笑顔――これこそが今の石川に最も必要な要素ではないだろうか。

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