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ブンデスリーガ選手名鑑、
熾烈なる市場戦線に迫る。
~媒体の競争が生む、充実の誌面~ 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byItaru Chiba

posted2013/09/02 06:00

ブンデスリーガ選手名鑑、熾烈なる市場戦線に迫る。~媒体の競争が生む、充実の誌面~<Number Web> photograph by Itaru Chiba

活況を呈するブンデスリーガを象徴するかのように、多くの媒体が選手名鑑を発売している。

 ブンデスリーガ創設50周年のいま、市場が活性化しているのが、ブンデスリーガの選手名鑑だ。

 これまでの定番は、『キッカー』誌と『スポーツビルト』誌が発行する2冊に加え、前のシーズンが終わってから1カ月足らずで発売され、早さだけが売りの『ANPFIFF』誌くらいだった。

『キッカー』誌の名鑑は普段の取材力と、各クラブとのコネを活かして、選手や監督のインタビューを多く掲載するなど、名鑑以外の記事が充実している。選手のデータよりも、シーズンプレビューの色合いが濃い。

 また、名鑑刊行後には、月曜日と木曜日に発売する通常号で、各クラブの選手の手に名鑑をもたせた写真を掲載、販促活動を行なう。

 昨年8月、マンチェスター・ユナイテッドのプレシーズンマッチのためにハノーファーにやってきた香川真司に、名鑑とともに写真に収まってもらおうとして、困惑させたこともあった。

スポーツ局、TV情報誌もこぞって“選手名鑑市場”に参入。

 対する『スポーツビルト』誌は、通常号の誌面と同じように豊富なデータが魅力だ。歴代の総ゴール数や試合出場数などの過去のデータから、前のシーズンの一対一の勝率(空中戦とそれ以外の局面にまで分かれた詳細なもの)、被ファール数のランキングまでを掲載しており、資料としての価値も一級品だ。

 さらに、両誌は通常号で名鑑のフォローも行なう。ともに開幕の3週間前ころに発売されるため、夏と冬の移籍マーケットが閉じた段階で、『キッカー』誌は付録の冊子を、『スポーツビルト』誌は誌面の一部を切り取って、名鑑に貼れるようなページを用意する。

 ところが、ここ数年は様子が変わってきた。

 2部リーグを放映しているスポーツ局の『sport1』誌が昨シーズンから名鑑の発行を始めると、今シーズンからはTV情報誌の『TVmovie』誌も進出。その一方で『ビルト』紙が観戦時に携帯できるポケットサイズの名鑑を手掛けるようになり、最近は『11FREUNDE』誌も開幕直前に発売される号の付録にポケット版の名鑑をつけるのが定番となっている。

【次ページ】 ブームのあおりを受け、老舗2誌の付録が年々豪華に!

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