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<中田翔、中村剛也らの原点> 大阪桐蔭 「スラッガー養成校の謎を追え」 

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日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byMiki Fukano

posted2013/07/17 06:00

<中田翔、中村剛也らの原点> 大阪桐蔭 「スラッガー養成校の謎を追え」<Number Web> photograph by Miki Fukano
一つの高校から、プロで大成する強打者が次々と生まれている。
彼らの打棒はいかにして鍛え上げられたのか。
指揮官の言葉から、猛打の秘密を探った。

 今、大阪桐蔭高校出身の強打者たちが、球界を賑わせている。

 中村剛也、西岡剛、中田翔の実績は改めて紹介するまでもないだろう。中日の平田良介は“飛ばないボール”の過去2シーズン、2ケタ本塁打を放ち、今季途中から西武の四番に座る浅村栄斗も、すでにキャリアハイを上回る12本塁打をマークしている。

 彼らは高校時代からよく打った。通算本塁打数は中田が87本、中村83本、平田70本。これはいずれも歴代10傑に入る数字だ。現3年生にはプロ注目のスラッガー、森友哉が控えている。“桐蔭派閥”は候補生も有望なのだ。

 大阪桐蔭はなぜ、これほどの強打者を次々と輩出することができるのか――。

 まず誰もが考えるのは、「そういう素質のある選手を集めているからだ」という、やっかみ混じりの“素材説”ではないだろうか。

 だが、監督を務める西谷浩一は、その仮説をやんわりと否定する。

素質のある選手を「かき集める」のではなく「選んでいる」。

打撃指導について語る西谷監督。春夏合わせて3度、チームを甲子園優勝に導いた。

「時間の許す限り、中学生の試合を見に行ったりはしていますが、専属のスタッフがいるわけではありません。そもそも直接交渉することは禁止されてますからね。良いと思った選手がいても、チームの関係者に『ぜひ来てもらいたい』ということをお伝えするだけで、あとは本人次第。よその学校と同じですよ」

 確かに、大阪桐蔭の部員は大半が関西圏の中学を出ている。ボーイズリーグの盛んな関西が有力選手の供給源になっているという事情はあるにせよ、地方の強豪校に比べれば“留学生”は極めて少ないと言える。

 人海戦術で金の卵を「かき集めている」のではないとしたら、“素材説”は次のように定義し直すべきではないか。つまり、スラッガー続出の理由は「そういう素質のある選手を選んでいるからだ」と。

 西谷の言葉がそれを裏付ける。

【次ページ】 「まず見るのは、1球目から振っていけるかどうか」

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