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移籍市場を牛耳るモナコの“裏SD”。
~世界No.1のサッカー代理人~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byMarcaMedia/AFLO

posted2013/07/02 06:00

移籍市場を牛耳るモナコの“裏SD”。~世界No.1のサッカー代理人~<Number Web> photograph by MarcaMedia/AFLO

メンデスは母国ポルトガルの選手だけでなく、スコラーリ監督やバルサのバルデスも抱える。

 今夏の移籍市場を席巻しているのが、ロシア人富豪リボロフレフ氏が率いるモナコだ。モナコはすでに150億円以上を投じ、ファルカオ、モウチーニョ、ハメス・ロドリゲスら、多くのビッグクラブが狙っていた注目株を次々と獲得している。

 そんなモナコの大補強の陰にひとりの人物がいる。現在世界ナンバーワンの代理人といわれるジョルジュ・メンデスだ。ファルカオ、モウチーニョらはいずれもメンデスと契約しており、さらに彼はディマリアやコエントラン、ナニらもモナコに送りこもうとしている。クラブ内のメンデス一派は増える一方で、フランスメディアの間で『モナコのスポーツディレクター』とまでいわれている。

 メンデスは選手だけでなく、監督でも契約するモウリーニョをチェルシーにスムーズに復帰させた。レアル・マドリーとの契約が3年も残っていたモウリーニョを違約金ゼロで動かした手腕はさすがと言うしかない。PSGからマドリーへ移りたいアンチェロッティが、違約金の面でクラブと揉め続けていることを考えても、その交渉の巧みさが窺える。

メンデスが今夏だけで手に入れた利益は、ロナウドの年俸を上回る。

 メンデスの凄みは、移籍させたらそれで終わりではなく、数年後には必ず再び移籍や契約更新に向かう流れを作る点にもある。最初の契約から1、2年後にビッグクラブに移籍するケースは多く、当初からそれを視野に入れて選手を動かしていく。選手へのアプローチも半ば強引で、モウチーニョなどは昨秋に代理人のピニ・ザハビ氏から引き抜き、数カ月後には2500万ユーロで移籍させた。現在はアトレティコ・マドリーの若手有望株オリベル・トーレスと契約を結ぼうと裏で動くなど、積極性と先見の明は欧州の代理人の中でも特出している。

 移籍金の10%を手にするメンデスは、今夏だけで十数億円の利益を手にしており、これはロナウドの年俸をも上回る。彼をよく知るポルトガル人記者は「今じゃポルトガルでは選手じゃなく、彼のような代理人になりたいという人が増えたよ」と苦笑いする。

 今夏の移籍市場はメンデスを中心に回っていると言っても過言ではない。モナコの「裏スポーツディレクター」は移籍市場が閉鎖される8月末まで、さらに選手を動かし続けるはずだ。

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