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なぜコンフェデ杯で全敗したのか!?
データが示す日本代表の意外な弱点。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2013/06/28 10:30

なぜコンフェデ杯で全敗したのか!?データが示す日本代表の意外な弱点。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

イタリアには善戦したものの、終わってみれば3戦全敗と惨敗した日本代表。ザッケローニ監督は「どこを強化するかというところがはっきり見えてきた」と語ったが、W杯まで残り1年で巻き返せるか。

「私たちの分析システムでは、ゴール前でタックルが成功すれば、 サイドのライン際で成功するよりも高いポイントを得る」

(FIFAに分析データを提供しているカストロール社)

 はたして日本は強いのか、弱いのか――。

 コンフェデレーションズカップで3連敗したことで、ザッケローニ監督および選手への評価が揺れている。一部のメディアでは監督を替えるべきではないかという声が出ているほどだ。

 ただ、ザックが練習を非公開にして戦術の細部と全貌を明かしていないため、批判も抽象的なものが多く、具体的に何が良くて、何が悪いか、はっきりさせられていない印象がある。

 こういうときは主観を排除し、データをヒントにすると見えて来るものがあるだろう。今回のコンフェデレーションズカップは、前大会に続き、カストロール社が細かくデータ分析を行なっており、FIFAのWEBサイトで詳しく紹介されている(http://www.fifa.com/confederationscup/statistics/castrolindex/index.html)。

詳細なデータ解析で丸裸になる選手個人のプレー精度。

 まずこのデータで注目すべきは「カストロール・インデックス」だ。

 パス、タックル、ダッシュといった試合におけるすべてのプレーを分析・数値化したもので、得点や失点にポジティブな影響、もしくはネガティブな影響をどの程度与えたかも考慮される。また、ピッチを細かく複数のエリアに区切り、パスやシュートの難易度も考慮。たとえば同社によると「ゴール前でタックルが成功すれば、サイドのライン際で成功するよりも高いポイントを得る」そうだ。ボールに触っていなくても、ポジショニングのミスがあってピンチを招いたら、そのDFは減点だ。

 こうして算出された「カストロール・インデックス」によって、個人ランキングが作られる。グループリーグ終了時のトップ5は以下の通り。

1位 セルヒオ・ラモス(スペイン) 9.57
2位 フレッジ(ブラジル) 9.47
3位 ジョルディ・アルバ(スペイン) 9.38
4位 バロテッリ(イタリア) 9.30
5位 ルガノ(ウルグアイ) 9.23

 ちなみにブラジルのネイマールは17位(8.58)だ。

【次ページ】 日本からは本田圭佑ただひとりが“ベスト11”入り。

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