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誰が買う? どこを走る? 最高出力916PS! 価格1億円!! 世界最高のドライバーズカー。 

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奥山泰広&高成浩

奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)

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photograph byMcLaren AUTOMOTIVE

posted2013/06/14 06:00

誰が買う? どこを走る? 最高出力916PS! 価格1億円!! 世界最高のドライバーズカー。<Number Web> photograph by McLaren AUTOMOTIVE
アスリートの心の中に渦巻くブツ欲を赤裸々に紹介し、解消していくこの企画。「ご意見番」として登場するのは、ファッション&モノ業界で長年活躍する“スマート”奥山泰広氏と、その相棒の“ワイルド”高 成浩氏。

モータースポーツ界の名門、マクラーレン・オートモーティブがMcLaren P1(TM)を発表。性能も価格も超弩級のスポーツカーを題材に、「そもそもスポーツカーの定義って何?」という、今さら聞けない奥深~い難題(?)に迫る。

奥山   ザック・ジャパンがワールドカップ出場を決めて間もないというのに、話題はサッカーじゃなくてクルマっスか!?

   クルマに興味がない奥山でも、マクラーレンって名前は聞いたことがあるだろ?

奥山   テレビのF1中継とかで、よく聞きますね。

   そう! そのF1だよ。ホンダが2015年からF1に復帰するんで、モータースポーツ・ファンにとっては、ワールドカップどころじゃないんだよ。しかもホンダのエンジンがマクラーレン・チームに供給されるみたいだからね。

奥山   なるほど。あながち旬がズレたテーマでもないんですね。

   名門F1チーム、マクラーレンのグループ企業である「マクラーレン・オートモーティブ」が作ったハイパフォーマンス・スポーツカー、マクラーレンP1が、いよいよ日本に初上陸したんだよ。

奥山   ひえ~、車両販売価格は9661万5000円。ほぼ1億円っスか!?

MP4-12C、MP4-12C Spiderに続くマクラーレン・オートモーティブのハイパフォーマンス・モデルの第3弾が、このマクラーレンP1だ。 

   驚くのは価格だけじゃないぞ、パワーはエンジンとモーターで計916馬力! 0-100km/hはたった3秒未満、200kmまで達するのも7秒とかからないんだ。最高速度は敢えてリミッター作動によって、350km/hに抑えてあるんだ。

奥山   ひと昔前、高さんがGT-Rに乗ってたときは「ふふん、ライトチューンで350馬力、250km/hは楽勝だぜ」って、ぶいぶい言ってましたっけ。それが今や馬力は2倍以上、速度は1.5倍になってしまったんですね。それにしても、クルマってそんなにパワーが必要なんですかね? そんなに速く走りたいもんですか? 僕なんて、人と荷物が積めて、快適に移動できれば十分だと思うんですけど。

   クルマというのは誕生してから「トラック・バス」と、「レーシングカー」の2つに形態が変遷していったんだ。だから、奥山のように人と荷物を優先するタイプと、スピードを優先するタイプがあるってワケ。まぁ、エンジンはまぎれもない内燃機関だから、パワーや効率を求められるのは当然で、それを載っけたクルマが速さを追求するというのも必至。クルマが発明された1週間後には、もうレースが行なわれたって話もあるくらいだからね。

奥山   ふ~ん。で、そもそもスポーツカーって何です?

スポーツカーの定義とは「起源」と「スピリッツ」にあり!?

   おっ!? クルマ・ギョーカイ人の間では禁断とも言える問いをしたね? それを説明し出すと、クルマ専門誌の特集が組めちゃうし、単行本が1冊完成しちゃうんだけど、奥山って数時間も聞いてられるの?

奥山   おっと、蘊蓄オヤジの琴線を刺激しちゃったか!? ヤバいなぁ。え~っと、この後打ち合わせに行かなきゃいけないんで、30分くらいに端折れません?

   ちっ、仕方ないな。んじゃあ説明すると、そもそもスポーツカーってのは、乗用車のパワートレーン(エンジン&ミッションなど)をそのまま使い、屋根を取り去り、ボディを切り詰め、軽量化したのが始まりだな。値段が安いから誰でも買え、昔の人達はそいつで気軽に草レースを楽しんでいたんだ。その良い例が、イギリスの古くて小さいオープンカーだ。

奥山   なるほど、今でもエンスーなオヤジがよく乗ってますね。ブリティッシュトラッドな格好して(笑)。

   かたやGT、グランドツーリングカーと呼ばれる、デカいエンジンを積んだスポーティかつ豪華な装備のクルマもあったんだ。

奥山   デカいエンジンで豪華というと、高いクルマなんでしょ?

   うん。でも、地続きのヨーロッパではクルマでどこにでも行けるから、GTは旅行用としてお金持ちに大人気だったんだ。当初、スポーツカーメーカーもGTメーカーも一線を画していたけど、どちらもレースに参戦して、そのレースから技術的なフィードバックを得ていたことに注目!

奥山   ほっ? というと!?

   つまり、レースという厳しい世界で“速く走ること”を追求。そういうスピリッツが脈々と流れているクルマであり、ドライブして楽しいクルマ。それがスポーツカー……だと、俺は思うんだ。

奥山   「だと思う」だって~!?

【次ページ】 スポーツカーの領域とマクラーレンP1の関係とは!?

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