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田臥の12年ぶりの復帰で、
バスケ代表の再建なるか。
~ロンドン五輪出場に向けて~ 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byKYODO

posted2010/08/26 06:00

田臥の12年ぶりの復帰で、バスケ代表の再建なるか。~ロンドン五輪出場に向けて~<Number Web> photograph by KYODO

 今季から新体制でスタートしたバスケットボール男子日本代表が7月から国内外で試合を重ね、強化に取り組んでいる。中でも注目されるのは、田臥勇太が日本代表に加わったことだ。代表のユニフォームに袖を通すのは実に12年ぶり、2度目のこと。初めて選ばれたときはまだ高校3年生で、アメリカの大学選抜との親善試合に過ぎず、実質、今回が初代表と言ってさしつかえない。

 田臥は能代工業高校で3年連続3冠、'04年には日本人として初めてNBAのコートに立った日本バスケットボールのパイオニアであり、最大のスターである。実力も折り紙付きだ。にもかかわらず、日本代表として活動することがなかったのは、代表選手は強化合宿への参加が必要とされたため、NBA挑戦との両立が難しいところにあった。

 しかし、昨シーズンの日本リーグでリンク栃木ブレックスを優勝に導いたトーマス・ウィスマンが今春、日本代表のヘッドコーチに就任。海外に行った選手でも代表から除外しない方針を打ち出したことで、掛け持ちすることが可能になった。すると田臥も、「オリンピックに出てみたいですね」と意欲を示し、代表メンバーに名を連ねることになったのだ。

五輪へ向けての最初の勝負は11月のアジア競技大会。

 その日本代表は、低迷の一途にある。オリンピック出場は、'76年のモントリオールを最後に絶えて久しい。'90年代前半までは3、4番手だったアジアでの地位も徐々に沈んでいき、昨年のアジア選手権は史上最低の10位に終わっている。

 閉塞を打破し、再建を期待されるウィスマンが目指すのは、日本選手の特徴であるスピード、クイックネスをいかしたバスケットボール。スピードとパスセンスが持ち味の田臥は、その戦術のキーパーソンとなる。また、アメリカで身長差のある選手たちと競いあってきた経験は、海外の選手との身長差に苦しんできた日本代表に還元される財産となるはずだ。

「何が求められているかは分かっています。よりよいチームを作って行きたい」

 田臥本人も、責任を自覚する。

 8月15日まで行なわれたスタンコビッチカップには体調不良で参加できなかったが、ロンドン五輪へ向けて、最初の勝負の場である11月のアジア競技大会での日本代表、そして田臥のプレーが注目される。

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