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全英の難コースで
問われる“人間力”。
~石川遼、「聖地」攻略のカギ~ 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

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photograph byTaku Miyamoto

posted2010/07/12 06:00

ゴルフ発祥の地「セントアンドリュース」で史上初となる3勝目を狙うタイガー・ウッズ

ゴルフ発祥の地「セントアンドリュース」で史上初となる3勝目を狙うタイガー・ウッズ

 今年で139回目を迎える全英オープンが7月15日に開幕する。

 第1回大会は1860年だから、150年もの歴史を誇る世界最古のオープン競技大会だ。

 ゴルフの4大メジャーの中で「マスターズは、国立劇場。全米オープンは、国立競技場」と中嶋常幸がその特徴を比較したことがあった。

 マスターズは、パフォーマンスを披露する場、全米オープンは、アスリートとしての限界に挑戦する場ということだ。

 ならば全英オープンは、どんな大会だろう。ひと言でいえば、人間が自然と対峙する中で、いかに自分の技量、叡智を使いこなせるかという人間力が問われる大会だと思う。

 なぜなら、戦いの場となるコースの風景が、他の3つのメジャー大会と全く違うからだ。

 リンクスと呼ばれる海岸沿いのコースは、砂泥が長い年月を経て荒涼たる原野に生まれ変わり、全英の舞台となった。

 そこでは、フェアウェイのマウンドや起伏によるキックで、ナイスショットがピンチに一変することもしばしば。さらに、1日に四季があると表現される天候の急変に、どう対応していくかによってスコアが大きく左右される。

聖地セントアンドリュースに強いゴルファーの共通点。

 今年の会場は、5年ぶりとなる聖地セントアンドリュース。

 興味深いのは、前回'05年と'00年の優勝者が、タイガー・ウッズであるということだ。さらに遡ると、'95年にはジョン・デーリーが優勝している。

 このふたりの共通点は、飛ばし屋であることに加え、ショートゲームが、とても上手いということだ。

 全長7305ヤード、パー72。メジャー大会の中では、比較的距離が短いこのコースで、タイガーが優勝したときは、ドライバーを一度も使わなかった。

 つまり、飛ばし屋有利といっても、ドライバーを振り回すゴルフをしては勝てないのだ。むしろ、パワーを確実に生かせるようにクラブを選び、ルートや球筋をより立体感を持ってビジュアライズして攻めていかなければならない。

 今年も石川遼をはじめ10名の日本人選手が挑戦する。セントアンドリュース特有のゴルフを早く見極めた選手が上位に入ってくるはずである。

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