それにしても似ている。ダルビッシュ有（レンジャーズ）に、だ。それが千葉国際高校の相内誠を取材したときの第一印象だった。

　ハーフという境遇。痩せて背の高いスタイル。きれいな真っ直ぐ。コントロールの良さ。変化球を巧みに繰る器用さ。クレバーさ。人懐っこいところ。怠惰なところ。そして、やんちゃなところも。

　相内は3年春の千葉県大会の準々決勝で腰痛が再発し、腰に負担のかかる140キロ台のスピードボールやフォークを封印し、ほぼぶっつけ本番でシンカーを用い、好投したことがある。

「あのときはいかに遅い球で抑えるかがテーマだった。左バッターが多かったので、外に逃げるシンカーが有効かな、と。打撃練習のときに遊びで使ったことがあったんで。そうしたらはまってくれましたね」

　ダルビッシュも、2009年の日本シリーズ第2戦で、痛めていた腰をかばいながらスローカーブを有効に使い、チームを勝利に導いたことがあった。

屈託のなさと表裏一体の未成熟さが引き起こした不祥事。

　話している姿を撮るためにインタビューをしながら写真のシャッターを切ると、その度にケラケラと笑った。

　そんなことが何度か続いたので、「意識しちゃう？」と尋ねると、なぜかとても嬉しそうにこう返してきた。

「いや、ちゃんと（話を）聞いてるのかなと思って」

　何がそんなに楽しいのかはわからなかったが、そう言って屈託のない笑みを浮かべる相内は、とてもかわいらしかった。

　だが、そんな人懐っこさは、未成熟さと裏表なのだろうなとも思っていた。

　だから、ドラフト会議のあと、12月に相内が無免許で車を運転し、かつスピード違反で摘発されたというニュースを聞いたときは、正直、やっぱりやっちゃったか、という気がした。

　それと同時に、擁護するつもりはないが、この程度で済み、しかも入団前でよかったな、とも思った。

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